ブラッディーバースデー
ルキアーノ×スザク









【ブラッディーバースデー】





「なぁなぁ、アーニャ!聞いたか!?」

「・・・・・・何?」

ラウンズ年少コンビのジノとアーニャが談話室で談笑しているようだ。

「アーニャ、知ってたか?今月の10日はスザクの誕生日なんだって!最近生徒会がそわそわしてるなー・・・と、思ってたんだけさ。いやー、私としたことがすぐに気づかなかったとは!!」

「止めを刺してあげるジノ。私、去年スザクに会ったときに知ってた」

「な!?;」

「しかも・・・・・・本人に教えてもらった」

「な、なんだとー!!!!なんで、スザクのやつ、私がいくら聞いても答えてくれなかったのにー!!!」

「ジノ、いつもしつこいからだと思う・・・・・・・」

「!!!!;;」






そんな会話に聞き耳を立てている者が一人・・・・・・・











『・・・・・・・・・・・・・・・』































しかし、それを知ったところで聞き耳を立てていた男は困り果てていた。

『一体・・・・・あのイレヴンに何をやればいいんだ・・・・?』

『ナイフか・・・?』

ルキアーノ・ブラッドリーは愛用のナイフをそっと取り出した。

『いや、会うたびに投げられるモン受け取っても仕方ねぇよな・・・』

ナイフ:却下

『いつもしつこくしてるヴァインベルグの坊ちゃんの首にでもするか?』

そうすれば、スザクも暑苦しくなくなり、ルキアーノも恋敵が減る・・・・・・

『・・・・・・・だが待て、その首をずっと当日まで保管するのか?しかもこの俺が・・・?やってられるかそんなもの!誕生日まであの野郎と暮らせっていうのかよ・・・・』

生首:却下

『つか、それを贈るということはあの男の背中を押すだけじゃねぇか・・・!!』

生首:尚更に却下

『あいつが好きそうなもん・・・・・か。いつも小汚ぇ猫を連れてやがるが・・・・・・・・、いやこれも却下だ。あの猫の世話に使うモンに関しては、唯一あのイレヴンがきちんと金を使ってるところだ・・・・・』

アーサーのえさ、世話の道具等:スザク自身が常にきっちりそろえてるので却下

『じゃあ、何を贈れば・・・・・・・・・て、


























何でこの俺が、あのイレヴンに何か贈ろうとしてんだ・・・!!!!』



























いつもナイフをお見舞いしてるのに・・・・。
なぜきっちり誕生日プレゼントを贈ろうとしてるんだ・・・・・
冷静になり、ルキアーノは少し首を振って冷静さを取り戻そうとする

「ん・・・・・・?」

何かがちらりと目に入る

「そうかぁ・・・・・これなら」












************************************************************



7月10日当日・・・・・


「それにしてもすんごいプレゼントもらったよなぁ、スザク・・・・」

「記録・・・」

生徒会メンバーからの大量のプレゼント・・・・・会長のミレイからは特大手作りケーキをもらい、シャーリーからは猫のぬいぐるみ。これもお手製だろう。リヴァルからはワインをもらったが、

「これを開けるのは僕にはまだ早いね・・・・・」

誕生日が来たといえど、まだ18歳
生真面目な性格のスザクが、そのワインのコルクの栓を抜くのは、二年後になりそうだ。

「私たちのは気に入ったか!?」

ジノやアーニャもプレゼントをくれた。
ジノからは大きな花束、アーニャからは特選の画像を携帯にたくさん送ってもらった。ほとんどがアーサーだったが・・・・。

「それ・・・、」

「あ、これ?」

スザクが何気なく手にしていたもの・・・・・・それは、オルゴールだった

「あの人、器用そうだとは思ってたけどなぁ・・・・・・こんなのも作っちゃうんだな」

「昔からこういうのは得意だったからね・・・・」

そのオルゴールの贈り主はルルーシュだ
木彫りとかそんなものではなく、オルゴール作成体験で作ったものだろうが、それでも売り物のようにきれいな出来だった

「・・・・・・・・・・・・・」

なんともいえない自分たちの関係、オルゴールを見ながらスザクはぼんやりしていた・・・・・

























ごん!!!!!


























「痛・・・・っ!!」

何かがスザクの後頭部にあたる

「ほぉ?新しい恋人からのプレゼントかぁ?」

「そんなんじゃない・・・!!」

頭をさすりながら、スザクは言い返す



「ん・・・・?」

ルキアーノが投げるのは、いつもナイフ。なので、てっきりスザクの頭に当たったのはその柄の部分だと思っていたのだが・・・・・・

「何です?これ?」

それは白い箱だった
とても彼の趣味に合わないだろうもので、スザクはきょとんとした

「誕生日だってなぁ?せいぜい余り物でもくれてやる・・・・・大事にしろよ?」

「・・・・・・・・・、」

いったい、何が入っているというんだ・・・・・・・スザクは緊張した面持ちで、ゆっくりとプレゼントの中身を開けた・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ブラッドリー卿、」

「なんだ?礼でも言うつもりか?」

「礼?まぁ、ある意味そうかもしれません。一言だけ言っておきます。



























貴方は、変態ですか」




























はっきりとスザクはいった。

「あぁ!?」

「当たり前です、なんで男の僕にこれを贈るんです?」



「余りモノだって言ったろ?」

「余りモノでも下さったという心意気だけは受け取っておきますが、自分は男です。これは着れません」

スザクに贈られたプレゼントの中身・・・・・それは、ヴァルキリエ隊の制服だった
その制服は、ブリタニアの制服の中でも最も露出が高いことでひそかに有名だった。

「いいじゃねぇか、着てみればいいだろ?サイズは間違ってないはずだぜ」

「とにかく、























これは受け取れません」
























スザクはずばっと、いつの間にか奪い取ったのかルキアーノのナイフで引き裂いた

「あぁ!!てめぇ、人の好意を!!!」

「変態さんの好意は、気持ちだけで結構です。物品までは受け取れません」

「てめぇ!!!!!」














「ねぇ、ジノ・・・」

「ん?」

「なんで、あの人、スザクの服のサイズ知ってるの・・・?」

「・・・・・・まったくだな」



7月10日・・・、その日はスザクの誕生日で、そして後一歩ほかのラウンズたちが助けに入るまで、ルキアーノの命日になりそうになった一日であった・・・・


END


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星見です、再び失礼します。

まさかの10×7を書かせていただきました!

しかし・・・・これ、ぜんぜんお祝いになってない;;ギャグなお祝いにしようと思ってたんですが、笑いどころがない;;テンさんがいつものテンさんらしくない作品ですいません;;



題:ブラッディーバースデー
著:星見千春様



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