生き返ったら彼女が【男の娘】だった件A

 パトカーと救急車の接近してくるサイレンを聞いた女神は「やれやれだぜぇ」と、肩をすくめて紗那と翔摩に言った。
「人が集まって騒がしくなりそうだから、ここらへんで全員現地解散……あ、魂はソフトで脳はハードだから魂が入れ替わっても互いの記憶は肉体の方に残っているから、家族には気づかれないと思うから……たぶん。んじゃ、そういうこって……バイバイ」
 無責任な裸の女神は、そのまま上昇して空に消えた。
 公園に周囲から人が集まってくる気配を感じた紗那と翔摩は、肉体に残っていたそれぞれの記憶に従って、それぞれの家へと帰った。

 翔摩の魂が入った肉体の紗那は、ごく普通に紗那の家に靴を脱いで上がった。
「ただいま」
 当たり前のように帰宅の言葉を発した翔摩(見た目は紗那)は、躊躇〔ちゅうちょ〕するコトなく。
 紗那の部屋に入ると。どこに何があるのかすべて承知している翔摩は、紗那の下着類が収納されている場所を物色する。
 洗濯されて丸くなった状態で整理されているショーツ〔パンティ〕や、並べられたブラジャーをなんの遠慮するコトなく手にすると、鼻を押し当てて匂いを嗅ぐ。

「はぁはぁ……紗那の女の臭いが染みついた下着……すーはーッ」
 傍目から見ていると、自分の下着の匂いを嗅いで陶酔している変態女だった。
 好きなだけ下着の匂いを嗅ぎまくった翔摩は、一番過激な勝負下着を持って風呂場へと向かう。
 紗那が翔摩とのエッチを前提に通販で買った。性器と乳首の箇所が薄い布で透けて見える下着だった。
 翔摩は、バスタブにお湯を張ると、鼻唄混じりに衣服を脱ぎはじめた。
(これから紗那の体で風呂に入っちゃうぞぅ、いろいろな部分を普段の紗那だと絶対に洗わない変な洗い方しちゃうぞ)
 脱ぎ進めていった翔摩は、ショーツを下げた途端、下着の中からピョコンと跳ねるように出てきた棒状の見慣れた物体に固まる。

 それは、魂が入れ替わる前の翔摩がいつも、風呂場で見ていた器官で……翔摩の男体のモノより立派だった。
(なんで、紗那の体にチ○ポが付いて……しかも、オレのモノより立派なモノが?)
 翔摩は上半身も脱いでブラジャー姿になった、隕石に押し潰される前に触っていた胸はペッタンコの平らな男の胸板になっていた。
(紗那って男だったのか? 【男の娘】?)
 翔摩は入浴をやめて、脱いだ衣服を着直すと紗那に電話した。
「紗那か、今どこにいる? オレの部屋か……ちょうど良かった、確認したいコトがあるから、部屋で待っていてくれ」
 翔摩は家を出ると自転車で、紗那がいる自分の家へと向かった。
 十数分で到着した翔摩は、勢い良く家に入ると「かあちゃん、ただいま」と言って階段を自分の部屋へと駆け込む。
 部屋の中には、翔摩の肉体に魂が入ったスェットの上下を着た紗那がいた。
 紗那の体の翔摩は、いきなりスカートを脱ぎ下着を下ろし、上半身もTシャツを鎖骨あたりまでめくり上げると。
 男の体を露出させて言った。
「見ろ紗那! おまえ、本当は男だったのか?」
 紗那は、女の体の時には生えていなかった見事な、股間のマツタケチ○ポにゴクッと生唾を呑む。
「そんなワケないでしょう! なんで、あたしの体にチ○ポが生えていて。胸がペッタンコなのよ!!」
「じゃあ、やっぱりあの女神とかいう女の仕業か……生き返らせた時に紗那を男の体に作り変えやがった……おまえの方は大丈夫か? オレの体、変なコトされていないだろうな」
「大丈夫みたいだよ」
「パンツ脱いで見せてみろ」
「変態!!」
「いいから脱げ!!」
 スェットの下を膝近くまで降ろした紗那はトランクスを下げて、下半身を露出させた。
「ほらっ、なんともなっていないよ……ちゃんと二本、チ○ポ付いているし
 翔摩は絶句した。紗那の魂が入った自分の体には、陰茎が二本……縦に並んで生えていた。
 翔摩が震える声で、二本の陰茎を指差す。
「それ違う……普通の男のチ○ポは二本生えていない
「えっ、そうなの……着衣フェラチオしかしたコトないから、てっきりその時の気分とか体調で、男の人は二本を使い分けているのかと思っていた」
「んなわけねぇだろう」
 翔摩は、紗那の女体の股間に生えている一本マツタケを指差す。
「男のチ○ポが二本なら、これどう説明するんだよ」



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