性処理サイボーグ彼女@

☆これは、コミック『アンリアル2018・02号』掲載のカラーマンガ『アンドロイドに支配された世界』から影響を受けて書いてみたくなった作品です。軽くチャチャと炒めた、炒飯のようなものなので短いです


 5月6日、某所……夜空に星が輝く郊外の丘に並び座った。十八歳の紗那と、翔摩は夜空の下でデートを楽しんでいた。
 紗那がポツリと言った。
「星、綺麗だね」
「うんっ」
 翔摩は紗那の肩に手を置くと、そっと引き寄せた。
 一年前のつき合いはじめた頃の紗那なら、肩を引き寄せられただけでも嬉しく満足だった。
 だが、交際をはじめデートを繰り返して一年……翔摩は紗那の手さえも握ってくれなかった。
(大切にされているのはわかるけれど……翔摩と、もっとエッチなコトをしたい)
 紗那は、少し明るく輝いている星に、翔摩との積極的で少し変質的なエッチを願った。
 いきなり、紗那が願いをしている星が横にスゥーと動いたかと思うと上下左右に不規則に動きはじめた……翔摩が驚きの声を発する。
「わっ! UFOだ!?」
 二人が見ているとUFOは横にジグザグに移動してから、パッと消滅した。
「消えた?」
 翔摩が、そう言った次の瞬間……頭上から眩い光りが、二人を包み周囲が昼間のように明るくなった。
 見上げると楕円形の光源が、二人の頭上に浮かんでいるのが見えた……UFOは瞬間移動で紗那と翔摩の上にやってきた。
 恐怖に身動きできない二人が、緑色の光りに包まれ。
 その光りを浴びた瞬間……紗那と翔摩の意識は途切れた。

 翔摩が意識を取り戻すと、頭上に浮かんでいたUFOは消え……紗那の姿も消えていた。


 紗那が消息を絶ってから一週間が経過した、ある夜……入浴を済ませ、自分の部屋でくつろいでいた翔摩は、室内に空気の感覚が変化する異様な気配を感じた。
 気配を感じた方向に目を向けた翔摩は、そこに瞬間移動で現れた紗那の姿を見た。
 失踪した時と同じ服装で立つ紗那は、無表情で翔摩を見つめていた。
「紗那、無事だったのか!? 良かった」
 翔摩は、紗那の背後に次々と瞬間移動してきた、異質の生物の姿にギョッとした。
 それは白い影のように揺らめく、円柱型をした細長い生物だった。
 胴体と首の区別が無く、頭部が半球体をした生物の目にあたる位置には赤いアーモンド型の目が二つ横に並んでいる。 白い生物の体からは、数本の触手のようなモノが出ていた。
 翔摩が紗那に向かって叫ぶ。
「紗那、その化け物から離れろ!」
 次の瞬間……紗那の衣服が青白い炎を出して燃え上がり、下着を含めて燃え消えた。
 不思議な炎の中から現れた紗那の裸体は、首と手首から先を露出させた。ピタッと体に密着した光沢がある紫色のキャットスーツ〔ナマズの皮膚のような光沢がある密着スーツ〕か、パープル色で金属質の西洋甲冑を着ているような姿だった。
 乳房と乳首とヘソの形がはっきりとわかる……翔摩は、紗那のエロチックな姿に息を呑む。
「どうしたんだ……その姿は?」
 その時、翔摩の頭の中に直接声が聞こえてきた。
《コレは彼女……紗那、自身ガ望んだことダ》
 声は揺らぐ白い影のような、生物の方向から聞こえてきたような気がした。
 頭の中にキンキンと響くような、遮断できない声に翔摩は頭を押さえる。
 声の主は翔摩のコトなどお構いなしに話し続ける。
《我々ハ、@≠〆§星人ダ……母星に持ち帰る、コノ星の知的生命体遺伝子サンプルを求メて探索しテいたとコろ、知的生命体でアる。紗那の思念テレパシーを感知しタノで、遺伝子サンプルを採取するタめに紗那を拐ッた》
 宇宙人の星人固有名称は地球人には聞き取れず、発音できないモノだった。

《母船に拐っテきた紗那と、我々は意識下で繋がッて、紗那トある交渉をシた……我々は紗那かラ排卵された卵子細胞をサンプルとシて求め……紗那が応じたのデ、代わりに紗那の願いを叶えた》
 無表情の紗那が一歩、翔摩の方へ近づく。
《紗那の願いハ、我々の理解ヲ越えた特殊な願いだッた……だかラ我々は紗那の肉体を男性の精液を搾精する『性処理サイボーグ』に改造シた……ソの姿は紗那が望んだ姿ダ》



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