催眠をかけられた流依@
町にやってきた怪しげな雰囲気のサーカス団……流依は、恋人に誘われて観に来た。
黒テントの異様な雰囲気とは異なり、興業は極々普通のサーカス興業で、流依も男性の恋人と楽しんだ。
やがて、ステージに一人の女性催眠術師が登場した。
女催眠術が言った。
「どなたか一人、ステージに上がって、お手伝いをしていただける観客の方……そこの貴女、一番前の席で男性の隣に座っている女性の方」
女催眠術師は、流依を指差す。
「どうぞ、ステージの上に」
女催眠術に見つめられていると、なぜか流依は女催眠術師の言葉を、拒絶してはいけない絶対服従の気分になって椅子から立ち上がっていた。
ピエロたちに手を引っ張られて、気づくと流依はステージ上にいた。
女催眠術師は、客席に向かって言った。
「勇気ある、お嬢さんに拍手を」
客席の観客も、まるで不思議な感覚に操られるように立ち上がって、流依に拍手をする。
女催眠術師が流依に訊ねる。
「お名前は?」
「流依です」
「それではこれから、流依に『催眠術』をかけます」
流依が(催眠術をかけるって? いったい?)と、疑問を感じる前に額に催眠術の手があてがわれ……すぅーと、流依の意識は催眠領域へと堕ちていった。
「はい、流依は今……催眠術にかかりました」
体が硬直したまま後方へ倒された、流依の体を助手のピエロたちが支え。
そのまま、流依は間隔を開けて置かれたパイプ椅子の間に寝かされ、人間ブリッジにされる。
「は〜い、コッチコッチになった流依に、座るコトもできまーす」
そう言って、流依の橋に座った女催眠術は、客席から見えないように流依の股間をまさぐりながら、流依にしか聞こえない小声で呟いた。
「ふふ……ここのお豆もコッチコッチになっている……素敵」
立たされて、催眠を解かれる寸前の流依の耳元で、女催眠が囁く声が聞こえた。
「流依に暗示をかける……今夜サーカスの、あたしのキャンピングカーに裸で来なさい」
人知れず暗示をかけられてしまった流依は、そのまま客席へともどされた。
[後戯へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!