女だけで繁殖する世界にノンケの女が一人Aラスト

 部屋で飲んでいた流依は、いつの間にか酔いつぶれて眠ってしまった。

 流依が目覚めた時──流依は沙羅の和室の畳の上で、浴衣姿のまま手足を大の字に広げて鉄アレイのようなリングで手足が動かないように固定されていた。
(なにこれ? う、動けない?)
 畳の上で大の字になってもがいている、流依の耳に沙羅の声が聞こえてきた。
「その腕輪と足輪すごいでしょう、見た目は軽そうなのに質量調整で重さを変化させられる……あたしのマッドな発明品なんか誰も興味を持たないけれど」
 声が聞こえてきた方を見ると、素肌に白衣コートだけをまとった女医のような雰囲気の沙羅が缶ビールを飲んでいた。

 流依が、沙羅に質問する。
「あなた、いったいなんなんですか?」
「あたし? 見ての通りのマッドなサイエンティストよ……先日、恋人〔♀〕に振られちゃってね。傷心旅行で新しい恋人を探していたの……一目見て、あなた気に入っちゃった。あたしの新しい恋人にする
 さすが、マッドなサイエンティスト──一般的な常識は通用しそうにない。

 缶ビールを飲みながら沙羅が言った。
「あなた、もしかして女性に興味がないノンケ≠カゃない? なんとなく、そんな気がするのよね」
 沙羅の心の中を見透かされたような言葉に、流依は一瞬ギクッとする。
「ど、どうしてそれを?」
「勘よ、女の勘……このメス世界で、ノンケの生き方は苦しいよね。あたしが苦しみから解放して楽にしてあ・げ・る」

 沙羅は、スポーツバックの中からバイクのヘルメットのようなモノを取り出した。
 目の部分がサンバイザー型になっていて、口の部分は解放されている。
 沙羅が、口の辺りが見える、戦隊ヒーローのマスクのようなモノを見せながら流依に訊ねる。

「これなんだかわかる? あたしの発明品なんだけれど」
「???」
 流依が答えられないでいると、沙羅が勝手に答える。
「人間の深層意識に刷り込みしたり、記憶を書き換えるコトができる装置……早い話が『洗脳ヘルメット』ね頭の中を書き換えられたり、人格を書き換えたりもできるの、この装置を使って。あなたをレズに変えてあげる……さらに、あたしの恋人としての偽りの記憶も頭に刷り込んであげる」
「やめてください! いやぁぁぁぁぁっ!」

 抵抗できない流依の頭に被せられる、洗脳ヘルメット。
 沙羅が薄笑いを浮かべながら、ヘルメットのダイヤルを回して微調整する。
「怖くない、怖くない、すぐに終わるから……新しい人生がはじまるのよ……ウフフ、女性からの愛を否定するノンケは、この女性だけの世界では生きていられないから」

 スイッチが入れられ、流依の頭の中がいじくられる。
 腰を浮かせて悶える流依。
「はうぅ……あぁあッ……あッ……」
 沙羅が、流依が着ている浴衣の帯をほどくと、白い裸体が出現した。
「あぁぁ……あふっ……あひぃぃぃ」
 背中と腰を浮かせた流依の股間を、指先で撫でる沙羅。
 流依の性器は、濡れはじめていた。
「ふふっ……濡れてきたじゃない、女に触れられるコトを肉体が受け入れはじめた証拠ね……さあ、もっともっと女を受け入れましょうね
 ヘルメットに響く電子音と点滅……流依の体の感度が、女に触られるコトで上昇する。
「あひぃぃぃぃ! おぅおぅあぅぅ!」
 沙羅が、流依の裸体を撫で回したり、乳房や乳首に舌を這わせるたびに、流依の体は大きく反応してのけ反る。
 流依が、のけ反った拍子に鼻先を流依の肢体にぶつけた沙羅が、女体にぶつかった鼻を押さえて笑う。
「あははは最高! 反応がいい! 身も心も真性のレズビアンに作り替えてやる!」

 やがて、ヘルメットのランプの色が、グリーン色に変わると腰と背中を浮かせていた流依は、ドスンと力尽きたように畳の上に腰を落とした。
 洗脳ヘルメットを被せられたままの流依は「はふーっ、はふーっ」と、呼吸を整えた。

 沙羅が、流依と唇を重ねると、流依の方から積極的に舌を絡めて、ペチャベチャと沙羅の口腔をナメはじめる。

 流依の口から唇を離した沙羅は、満足気な笑みを浮かべながら呟く。

新たなレズビアン誕生……ようこそ、女だけの悦楽の世界へ……恋人に変えたら貝合わせをしてみようかしら……ウフフフ、ゆくゆくは女性同士で赤ちゃんを……ウフフフ」

 洗脳ヘルメットを被った流依は、沙羅の言葉を聞きながら、いやらしく自分の唇をナメ回した。

〜おわり〜



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あきゅろす。
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