女だけで繁殖する世界にノンケの女が一人@

女しか生まれない【♀レズ妊娠人類創造】その中で突然変異で生まれてしまった、ノンケの女の子がレズ化させられる・投票数67票

 ショートヘアの流依は、なぜか自分がいる【女だけの繁殖世界】に馴染めなかった。
 生まれた時から、女が女を妊娠させて繁殖する世界。
 それが普通のコトで誰も疑問を感じていなかった。
 いつの頃からか、流依だけがそれが違和感のある行為だと思いはじめた。
(女性同士で子供を作る……それは、当たり前のコトなんだけれど……でも)

 学生時代は、女ばかりの高校に登校した全生徒〔女性〕は、脱衣場で脱衣してスニーカーとソックスだけの裸体になって授業を受けて。
 下校時には、また着衣して家に帰る。
 学校の敷地内はフリーセックスで、誰もが求められれば自由に女性同士でビアン行為が許された。
 生徒同士はもちろんのコト、女性教師と女子生徒、女性教師同士でもレズのセックスを楽しんでいた。

 しかし、流依だけは。どんなに言い寄られても女性同士の行為を拒絶し続けてきた。
「ごめんなさい、あたし女同士って……あまり興味なくて。なんとなく、気持ち悪くて」
 と、いうのが理由だった。やがて流依は『ノンケ』というアダ名で呼ばれはじめ、恋人〔女〕を学生時代一人も作らないまま卒業して。
 社会人として会社に就職した。
 そこでも、流依は『ノンケ』として独り身で過ごした。
(どうしても、女同士の恋愛と繁殖を受け入れられない……あたし、何かおかしいのかな?)
 流依は、周囲の女性たちのように、同性を好きになろうと努力した……でも、どうしても女性を好きにはなれなくて。
 流依は苦しみ続けた。
(女を好きにならないと……同性を好きにならないと)

 流依が就職して、少し職場に慣れはじめた頃──女性しかいない職場で、一泊二日の社員旅行が開催されるコトになった。
『秘湯の温泉宿への社員旅行』特に断る理由も無かった流依は社員旅行に参加した……その旅行がレズの交流旅行であるとも知らずに。

 紅葉した山奥の谷川近くに、ひっそりとある温泉宿──流依たちが到着した温泉旅館は、流依の会社と、もう一人の宿泊客だけが全客のほぼ、流依の会社が貸し切りの状態だった。
 源泉の湯気が沢から立ち上ぼり、川のせせらぎが聞こえる旅情溢れる、和風旅館。

 旅館に到着するまでの貸し切りバスの中でも、数組の女性社員がレズ行為に及んでいた。
「あッ……あふッ……あぁ」
 クチュクチュクチュ。
「んん……いはぁ」
 ヌチュヌチュヌチュ。
 流依の後部座席で、女性同士でキスをしたり、性器を触り合ったり、ナメ合ったりしているのを無視した流依は眠ったフリをして、やり過ごした。
 職場の同僚は流依が女性同士の行為に、興味を示さないコトを知っているので、眠ったフリをしている流依に手を出してはこなかった。

 温泉旅館で、レズ行為に興じる職場の同僚と、どうしても馴染めない流依は単独行動をせざるを得なかった。
 一人で旅館の露天風呂に来た流依は、脱衣場で先客と遭遇した。
 湯から上がったばかりらしい裸で、スラッとした長身の黒髪美女で、白い医療コートを裸体の上に羽織り、片方の目に眼帯をしていた。
 流依が軽く会釈すると、成人女性の眼帯美女も軽く会釈を返す。
 ショートヘアの流依は、脱衣して全裸になると、露天風呂の湯に浸かる。
 お湯の上に浮かんだ赤い紅葉の葉が流れてきて、流依のオッパイに張りつく。
 流依は、白いお湯の中で安堵の吐息を漏らす。
「ふーっ、気持ちいい」
 温泉の効用を示す看板の表示には『子宝』という項目があった。
(女同士で赤ちゃんができる湯?)
 確かに乳白色のお湯は
子宝に恵まれそうだった。

 温泉から出た流依に、職場の宴会が待っていた。
 ここでも女同士の悦宴がはじまった。酒席の勢いも加わり、はだけた浴衣から覗く太股や乳房を女同士で触り合い、キスをしたりして乱れる。
「んんッ……はぁあん」
「あぁ……んあっ」
 当たり前のように日常化しているレズ行為の【メス世界】──少し酔ってしまった流依は、夜風に当たるために部屋の外に出た。
 窓を開け放った通路に立って、夜風で火照った体を冷やす流依。
「少し酔いが醒めたら……もう少しだけ飲みたくなっちゃった」
 その時、流依に声をかけてきた人物がいた。
「こんばんは……いい、月夜ね」
 見ると、そこに温泉の脱衣場で会った。
 白衣コートの眼帯をした女医のような女性が心配そうな顔で見下ろしていた。
 沙羅と名乗った女性が流依に言った。
「良かったら、あたしの部屋に来て……一緒に少し飲まない、一人で飲んでいてもつまらなくて」
 流依は、沙羅の言葉に従って沙羅の部屋に行った。


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