Text
魔王様の気まぐれで
―……よく考えたらこの世界は何のために在るんだ?
「サタン」
「ん?」
「何でこの世界を作ったんだ?」
「………」
聞いて損した。
そうだ
どうせこの身勝手な魔王様は
『気まぐれ』
とか言って済ませるのであろう。
「寂しかったのだ」
「やっぱりな………は?」
「だから寂しかったのだ」
あのサタンが寂しいだと……?!
「お前、本気か?」
「何を言って「熱は無いか?寝ぼけてるとかあぁぁぁあぁ!この世界の終わりか?神は俺たちを見捨てたのかぁー――!」…」
「そんなに珍しいことか?(イラ)」
「だって…お前が
弱気になるなんて・・・」
いつも皆を心配させまいと笑っている魔王が…
「私だって寂しいのだよシェゾ」
「だから俺を選んだのか?」
「そうかもな」
本当は知っている。
世界を作ったのは寂しいだけでなくて
サタンが温もりを欲していたことを。
こんな世界でも
ぬくもりは
在ったんだな
「お前も早く気付いたら良かったのにな」
「うるせーよ」
あぁ
神様
私たちが出会ったのも
魔王様の
気紛れでしょうか?
[*前へ]
無料HPエムペ!