放課後/真田弦一郎
教科書を置くべき机の上に座ったまま、ななしの足はぐいと大きく広げられている。その膝に手をかけ、眼前に見える可愛らしい下着に、思わず真田はごくりと喉を鳴らしてしまう。
普段は隠すべきソコが、惜しげもなくさらけ出されているのである。息を荒くした真田の反応に怯えたのか、ななしは足を閉じようと力を込めるが、押さえつける力強い腕に敵うはずもない。
しかし、ななしの腕は自重(じじゅう)を支えるため少し後ろ気味に置いているだけであって、拘束されている訳でもない。どうやら、ななしにも合意はあるようであった。
「んん……」
ところが、その口にはしっかりと真田のネクタイが猿ぐつわのように噛まされている。教室、ということもあって、声は極力抑えたいのだろう。
「で、では…参る」
参る、だなんてこの場面では明らかに使うべきではないのに、本人は至って真剣である。もはや意味のなさないスカートの中に、恐る恐る真田は潜り込んだ。
普段は見ることのない小さな下着から伸びる、柔らかな太もも。筋肉ばかりついて張りつめた真田のそことは違い、白く艶かしく、実に美味しそうである。
「んっ…!?」
突然訪れた太ももの痛みに、ななしはビクッと身をすくませた。がぶりと柔肉に噛みついた真田は、そのままふにふにと歯を使ってその感触を楽しむ。
ななしの太ももに歯形と少量の鬱血痕を残して、真田はようやく目の前の下着に目を向ける。
「む、少々染みているようだが…」
確かに、よく見れば先ほどは無かった濡れたような染みが、下着の中央にわずかながらに出来ている。太ももの内側など滅多に触られる事がないから、当然なのかもしれないが。
真田の頭がスカートの中でなければ、羞恥によって涙を溜めるななしの姿も、乾いた唇を舌で舐める真田の姿もお互いに見る事が出来ただろう。
「…んんっ…!」
楕円形に滲んだ染みを覆うように、真田は開いた口を押し当てた。器用に動く舌先を使って、布越しにある窪みを愛撫する。
下着を押せば押すほど、淡いななしの味が舌を伝って真田の口内に広がっていく。すぐにでも、この布切れを剥ぎ取ってしまいたい衝動に狩られるが、焦っては駄目だと自分に言い聞かせる。
「…くぅっ…ん…」
キリッと整った鼻も、隠れる肉芽に押し当ててやる。布一枚を間に挟んで、くにゅくにゅと逃げる肉芽を追いかけていく。
ななしの愛液か、真田の唾液か分からないが、すでにびっしょりと濡れた下着は、ななしの足首に引っ掛けられ、蕩けた秘部が真田の目に晒されてしまう。
いつもならば授業を受けるために座る自分の席で、なんて卑猥な光景が繰り広げられているのだろうか。慣れ親しんだ机の上には、恋人が足を開く扇情的な姿。その落差に、余計興奮する。
「…ん…んん…」
「…どうした?」
ぐずるように鳴いて頭を振るななし。その身振りからすると、どうやら猿ぐつわが苦しいらしい。真田は椅子から立ち上がると、ななしの口からネクタイを取り外した。
「すまん…苦しかったか?」
「大丈夫だから…もっとしてぇ…」
スカートをぎゅうっと握り締めて、ななしは精一杯のおねだりをする。あまりにも健気で可愛らしいななしの様子に、真田は一瞬、避妊具が無いことも忘れて挿入を考えてしまうが、ぶんぶんと頭を振ってその誘惑を振り切った。
ななしの言葉に急ぐように、再びその秘部に真田は顔を埋める。とろりと愛液を滴らせる蜜壺へ、硬く尖らせた舌先を捩じ込んでいく。
「…ひあっ、ぅ…」
矯声を抑えるように、ななしはきゅっと下唇を噛み締めた。形のよい眉が、切なそうに寄せられる。
「ふぅっ…ん…!」
快楽に震えるななしの臀部を両腕で抱え込んでやれば、腰を引いて逃げることも叶わない。ヌプ、ヌプ、と入り込む真田の舌。
しかし、もっと確実に胎奥を撫でてほしい、とななしが思ったところで、所詮は舌である。届くはずもなく、焦れるような快楽だけがななしの身体を責め立てた。
「…ぁ…やぁっ!」
「あまり大きな声を立てるでない、馬鹿者」
「ご…ごめんなさい…」
慌てて手で口を塞いでみても、そこを責められては声を出すなという方が無理なのではないだろうか。
「…あぁ…んっ…」
すっかり膨らんだ肉芽を、ぬるぬると真田の舌が弄んでいく。ゆっくりと上下に擦っていたと思えば、いきなりぐにゅりと押し潰す。
不規則な舌の動きに、ななしは声を殺すこともままならない。半端に解された秘部からの愛液が机に垂れていることなど、気付く余裕もなかった。
こりこりとした肉芽を十分に硬くさせて、真田はソコから唇を離す。意地悪くチュウッと吸ってやれば、びくりとななしの臀部の筋肉が収縮した。
「構わんから噛んでいろ」
「ん…」
無理やり口内に捩じ込まれた真田の左手を、ななしは遠慮がちに食む。汗ばんでいたのか、少ししょっぱい。
「んんっ…!」
空いていた右手は秘部を割り開くと、そのままずぶずぶと二本の指が胎内へ埋め込まれていった。待ち侘びていた感触に、ななしはぶるりと身体を震わせる。
束ねられた指は、ある一点を探し出すと、ぐにぐにとソコを執拗に擦り上げていった。同時に肉芽にも舌を這わせてやれば、鍛えた真田でも痛いほど、ななしは口内の手に噛みつく。
乱暴ともいえるほどの愛撫であるにも関わらず、ななしの性感帯を外す事はない。予習の成果か復習の成果か。
ぐちゃぐちゃと胎内を掻き乱されるななしは、下腹部に覚えのある疼きを感じた。あまり喜ばしくないその感覚を、真田は引き出すつもりなのである。
「んっ…んんぅ…!」
いやいやとななしが頭を振っても、真田は止めようとは思わない。むしろ、嗜虐心が刺激されただけである。
「んっ…やぁ…で、ちゃう…!」
肉芽に軽く歯を立てた事が原因か、はたまた性感帯を強く押し上げた事が原因か。どちらにせよ、ななしの我慢が決壊してしまったようで。
プシュッと弾けるような水音とともに、無色透明の液体を吹き出してきた。絶頂のため痙攣するななしの身体を抑える真田のワイシャツにも、ぽたぽたと染み込んでいく。
「もう…弦一郎のせいなんだから、今日は家まで送ってよね」
ひんやりと濡れた下着を鞄にしまいこんで、ななしはやたらスースーするスカートの裾を必死に押さえつける。
「うむ、もちろんそのつもりだ。女子の一人歩きは危険だからな」
そうさせた本人は、やたらと幸せそうに、たるみきった顔で可愛らしい恋人の姿を見つめていた。
終
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