発情する/真田弦一郎
かちりと歯がぶつかり合う音。きつく閉じられた歯列に、生暖かい舌がぺろぺろと這い回る。
「っ、やめんか…」
「んん…」
眉間にシワを寄せた真田が、膝の上に乗るななしを見る。先ほどまで真田の唇を舐めていた舌を出したまま、ななしはにっこりと笑う。
「弦一郎…」
再び近づくななしの唇に、真田はわずかに抵抗するようにアゴを引いた。しかし、真田の頭の後ろに回された細い腕がそれを許さない。
抵抗を諦めた真田が唇を開けば、待ってましたとばかりにななしの舌が侵入してきた。
発情した恋人に襲われるのは何度目だろう、と真田はぼんやりとした頭で考える。真田の座るパイプ椅子が、ぎしりと音を立てた。
「誰か、来たらどうする…」
外はすでに真っ暗とはいえ、ここは部室である。万が一にも誰かにこの状況を見られたら、自分は何と言えば良いのか。真田の不安をよそに、ななしは自らの臀部の下にある膨らみをぐりぐりと刺激する。
かぶったままの帽子で見えづらいが、真田の瞳には明らかに欲情の色が見てとれた。観念したようにため息を吐いて、真田はその帽子を床に落としてしまう。
「お前は…本当にけしからんな」
「だって…」
諌めるような口調でも、その手はすでにななしの腰に回されており。今度はななしに押し付けるように、真田は腰を入れる。
くちゅりと小さな下着の奥から漏れ聞こえる水音に、ななしは恥ずかしそうに真田に抱きついた。すでに染みのついた下着は、お役御免と早々に真田の手によって剥ぎ取られてしまう。
「あっ!あぁっ…」
ずぶりと突き立てられた節ばった指に、ななしはぶるりと身体を震わせた。愛撫に慣れない男らしい指は、ぐちゃぐちゃと掻き回すようにして膣内を蹂躙していく。
「お前はいつ触っても濡れているが、女子はみんなそうなのか?」
「あっ、やぁ!ちが…あぁ!」
「むぅ、よく分からんな」
困ったように笑う真田の目の前では、切なく鳴き続けるななし。膝をまたぐようにしているため、溢れる愛液は真田のジャージやパイプ椅子を汚していく。
二本目の指も潤滑に挿入出来るようになってからは、ななしはただ焦点の合わない瞳で鈍く光るトロフィーを見つめるばかり。半開きになった口からは、矯声がだだ漏れである。
「あぁっ、もぉ…!げん、いちろぉっ…」
真田のジャージを掴んでいたはずのななしの手が、狭苦しそうに主張しているモノに触れた。ギュッと握れば、真田の口元がぴくりと引きつる。
「む…仕方ない。少し待っていろ」
「舐める…?」
「いや、今日は良い。お前のココが限界なようだ」
「ひぁっ!」
挿入したままの二本の指が開かれる。くぱあとこじ開けられた膣口からは、暖かい粘液が真田の指を伝って滴り落ちてきた。
そのまま指を引き抜くと、真田はななしを膝に乗せたまま、器用に下着ごとジャージを下げる。はち切れんばかりに膨張した男根が、ぬらりと姿を現した。
未だに慣れないのか、悪戦苦闘しながらコンドームを着ける。ゴムに包まれた男根は、余計に苦しそうだ。
「入れるぞ。力を抜いていろ」
「んっ…」
真田の首に腕を回して、腰を浮かせるななし。狙いをつけるように、真田は筋に沿って男根をヌメヌメと擦りつけていく。
「や、あっ…あぁっ!」
「…ハ、…」
ずぶ、ずぶ、と埋め込まれていく凶器に、ななしはびくびくと身体を痙攣させて逃れようとする。しかし真田が許すはずもなく、狭い胎内で男根を飲み込むしかない。
息苦しいほどの圧迫感に息を詰まらせる真田は、迫り来る射精感を必死で追い払う。普段の精神統一が、こんな場面でも役に立とうとは。
すべてが入りきる頃には、すでに二人の限界は近いようで。どちらからともなく、ゆっくりと腰を揺らし始める。
「んぁっ…ふ、あぁっ!」
「ななし…」
じゅぷじゅぷと卑猥な音を立てて、二人はお互いを貪り合う。ななしのスカートの中では、太ましい男根の上で弾力のある尻肉がたぷたぷと跳ねているのであろう。
ラケットを握る力そのままでななしの臀部を掴むものだから、まろやかな肌に痛々しい爪跡が残ってしまっている。
短い悲鳴とも取れるような矯声で鳴き続けるななしには、もう正気がないのかもしれない。狂ったように真田にしがみつくだけで、臀部の痛みには気付いていないようだ。
「あっ、ああ!あぁんっ!」
「…っ、イくぞ…?」
ぐいぐいと容赦なく奥まで突き上げる真田に、ななしは意識を保つのに必死であった。がくがくと強引に揺さぶられるせいで、何度も舌を噛みそうになる。
凶暴に胎奥を抉るように穿たれたかと思うと、ビクビクッと一際大きく男根が痙攣した。
「やっ、あああぁ!あっ…んんっ…!」
避妊具の中とはいえ、男根の射精によってななしも絶頂へと上りつめた。ひくひくと蠢く襞が、真田の男根を生々しく感じ取っていく。
翌日の部活で悶々とするのは結局真田なのだが、後悔は先に立つまい。
終
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