[携帯モード] [URL送信]
初恋






「あのね、銀ちゃん」

「ん?」

「私ね、銀ちゃんが大好き」

「そりゃどーも」



本当だよ
本当に、大好きなんだよ

死んだ魚みたいな目も
ふわふわでモジャモジャな天パも
その低い声も
私の頭を撫でてくれる大きな手も
安心できるにおいも

全部、みんなみんな
大好きなの



「初めてなのヨ」

「何が」

「こんな気持ちになるの」

「…初恋、ってこと?」

「うん。恋がどんなものなのか、私初めて知ったアル」



苦しいくらいドキドキして
せつなくて
触れたくて
ずっと一緒にいたくて
そばにいてほしくて
離さないでほしくて

わがままかな、って思うけど
でも、しかたないでしょ

だって、好きなんだもん



「銀ちゃんは、初恋いつ?」

「え、俺?」

「うん、教えてヨ」

「んなもん覚えてねぇよ」

「年だからナ」

「うわ、何この娘、かなりムカつくんですけど」

「そのムカつく女に惚れてんのはどこのどいつネ」

「……あ〜…でも…あれだ、」

「…何アルか」

「ここまで惚れた女は、お前が初めてだわ」



そう言って、優しく笑って
ゆっくり、銀ちゃんの顔が近づいてきて

額に、瞼に、頬に
そして、唇に

優しいキス



ああ、私は
さっきの笑顔も、今のキスも

大好きだ



「ある意味、初恋だろ?」

「……本当?」

「本当」

「…銀ちゃん、大好きアル」

「俺も。神楽ちゃん大好き」










言葉じゃ言い表せないくらい
幸せだよ



こんな気持ちになるのは
あなただから
























あきゅろす。
無料HPエムペ!