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小話
One Rainy Day,(双子)


「…雨止まねぇな」

「そうだね」

しとしとしと。
霧みたいな弱い雨が朝からずっと降り続いている。

「今日も外干し出来んかった」

「そうだね」

僕のベッドに座って脚をぶらぶら。
どうやら葉は今暇を持て余してるらしい。

「ハオー」

「…なんだい?」

「暇」

「ふーん」

「ふーんって…それだけか?」

「へー」

「…返事にバリエーションつけて欲しいわけじゃないぞ」

じと、と強い目線を投げて寄越す。
どうやらお気に召さなかったみたいだ。
僕にしては構ってあげてる方だと思うんだけどね。

「もっとオイラにかまえ」

「命令?」

「……ハオに構って欲しい」

「…嫌だって言ったら?」

「無理矢理にでもこっち向かせてやるんよ」

葉は悪戯っぽくニヤリと笑って、僕が読んでいた本を取り上げた。

それからすぐに顔目掛けて飛んできたクッションは、勿論予想の範囲内。
ひらりとかわして、反対に投げつけた。
見事葉の顔面に命中するクッション。

―それから僕VS葉のクッション投げ対決が始まったのは言うまでもない



(「〜〜っ!騙された!!」)

(「よく言うよ、先に狙ったのはお前だろう?」)

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