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涼宮ナツキの憂鬱
第六十三話
晩御飯も誘われたが、さすがにこれ以上ここにいると俺の心臓が本当に爆発すると思ったからご遠慮した。ちょっともったいなかったかな?

「また来てくださいね」

「またいずれ。クッキーありがとうございました」

俺は長門さんに一礼して去った。次来るときには心臓を強くしとかないといけないな。

辺りはもう薄暗く、涼しい風が吹き抜けて、自転車で風をきりながら家に帰る途中に見覚えのある後ろ姿に出会った。

「よお、美春。お疲れか?」

テストの結果が散々だったせいで、この一週間は追試の束ができている美春の背中はいつもの元気がなかった。

「うぅ、頭がパンクするよぉ」

「お前が普段から勉強しないからだろ?」

「だって勉強嫌いだもん!」

お前はだだをこねる子どもか!

「で、結果はどうだったんだ?」

「今日受けたのはなんとか合格したよ」

美春はちょっとだけ笑顔で言った。

「お前はやりゃあできるんだから、普段から勉強しろよ」

「でもぉ」

「でもじゃありません」

勉強をしない子どもを持つ親ってこんな感じなのだろうか。将来子どもができたら気をつけよう。まあできたらの話だが。

「もう暗いし、後ろ乗ってくか?」

一応美春は女の子だし、この時間はちょっと物騒だ。

「いいの?」

「嫌ならいいけどさ」

「ううん、乗る!」

美春は目をキラキラ輝かせて俺の顔を見た。何がそんなに嬉しいのだろうか……

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あきゅろす。
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