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涼宮ナツキの憂鬱
第六十一話
「実は機関の命令なので、キョウさんに話しておかないければいけません」

機関?命令?何のことだ?

「先日、古泉先輩が宇宙人だとあなたに告げましたよね?」

俺はコクリとうなずく。

「確認とれました。今からミッションを遂行します」

長門さんは何かを呟いて俺の顔をジッと見つめた。

「私、実は超能力者なんです」

長門さんはそう一言言った。俺はまた何がなんだかわからない状況に陥っているようだ。

「あの、信じられないのはわかります。実際私もそうでしたから」

一樹先輩といい、長門さんといい何を言っているんだろうか。

「あの、一つ聞いてもいいですか?」

「なんでしょう?」

「証拠を見せてください。例えばそのテレビのリモコンを宙に浮かばせるとか」

超能力者ならそれくらいできるはずだ。マジシャンでさえ出来てしまう程度のことだからな。

「ごめんなさい、できません。私の能力はそういうわかりやすいものじゃなくて、ある場所と条件が重なってないと使えないんです」

「その条件とやらはなんなんですか?」

「いずれお見せする機会があると思います」

長門さんは困った顔で言った。これ以上追求するまい。

「あの、お腹すきませんか?」

「まあ少し……」

「今日家庭科でクッキーを作ったんです。せっかく来てくれたのに、もてなさないのもよくないのでお茶していきませんか?」

長門さんのお誘いとあらば逆らう理由などあるまい。

「ご馳走になります」

長門さんは笑顔で髪をぴょこぴょこ揺らしながらキッチンの方に向かった。

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あきゅろす。
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