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涼宮ナツキの憂鬱
第五十四話
ここまで気分の悪い朝はいつ以来だろうか。寝ていたはずなのにやけに体が重い。

カーテンを開けるといつものように太陽が昇っていた。嘆いていても仕方がない。さっさと起きて学校に行こう。

キッチンに行くと一枚の紙に親父の文字でこう書いてあった。

『キョウへ
元気か?無理なら今日は学校休んでもいいからな。大丈夫ならハルヒの朝飯食ってとっとと学校に来い』

心配してくれているのかいないのかよくわからん文面だったが親父の気持ちは確かに伝わる文章だった。今日行かないと死刑にされるからな。行くしかないさ。

ハイキングコースを登りきり、下駄箱を開くとまた一枚の手紙があった。

『キョウさんへ
今日の放課後話したいことがあります。部活が終わったら待っていてください。 長門亜紀 』

確かにそう書いてあった。俺のメランコリックな気分は一瞬にして消し飛び、有頂天になっていた。手紙を大事に四つ折にし胸ポケットにしまいこみ、今日一日はいい日だなと勝手に確定し教室に入ると、さっきの俺のようなオーラを放ったナツキが座っていた。

「どうしたんだ?」

「どうもしないわよ」

いつも以上に不機嫌のようだ。こういうときは無理につつかないほうが無難だろう。

「今日来なかったら死刑だからね」

「わかってるさ」

ナツキはそれ以上なにも口には出さず、空を見上げていた。

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あきゅろす。
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