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涼宮ナツキの憂鬱
第五十三話
気がつくと辺りは真っ暗だった。よく見るとそこはナツキとの約束を交わした公園だった。なんで俺はここに来たのかそれすらもわからなかった。そういえば始まりはここからだったのかもな。ここであんなことを言わなければ異次元の扉を開かなくても良かったんだ、と後悔しても仕方のないことで、俺はただ歩むべき道を時の流れに沿っていくしかないと感じた。

今の俺には街灯の小さな光すらまぶしく見えた。



「ただいま」

「おかえり、遅くなるなら連絡しなさいよ」

帰って一番初めに聞いたのは母さんのいつもの声だった。

「ごめん」

「ご飯できてるから早く着替えてきなさい」

「ごめん今日は寝る」

「どうしたの?体調でも悪いの?」

俺は答える気にもなれなかった。精神的にはもうボロボロで、今すぐにでも眠りたい気分だった。

かばんを投げ捨て俺はベットに横たわった。

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