涼宮ナツキの憂鬱
第四十七話
着替えるからと美春が言うもんだから俺と一樹先輩は今廊下につっ立ってるわけだが、ただ立ってるのもつまらないのか一樹先輩は、
「キョウくん、一つ聞いていいかな?」
「なんですか?」
いつもの爽やかスマイルで一樹先輩は話しかけてきた。
「キミと涼宮さんの事だが」
「俺とナツキがどうしたんすか?」
「キミは涼宮さんのことをどう思っているのかな?」
「どうって……」
「もしくはどう思われたいのかな?」
「え?」
「どうなんだ?」
思わず俺は声がつまる。どうしたんだ一樹先輩は?真剣な顔をして何を言ってんだ?
「もしキミと涼宮さんにもしものことがあったなら……」
一樹先輩は一呼吸置いて言った。
「シンデレラは知ってるよね?」
「はい」
「そのときに思い出してほしい、シンデレラを」
「え?」
「話はそれだけだ」
そう言うと一樹先輩はいつもの笑顔に変わった。
「あの一樹先輩?」
「もういいよー」
美春の着替えがタイミング悪く終わってしまい、俺は肝心なことを聞くことができなかった。
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