涼宮ナツキの憂鬱
第三十四話
まいったなー、まさかここでこうきたか。
「ほら、入りなさいよ」
俺はその場の威圧感にやられていたみたいだ。ナツキにつれられ中に入ると、営業スマイルの一樹先輩と、真っ赤な顔をしてうずくまっている美春がいた。
「やあ、また会ったね」
一樹先輩に席をすすめられ座るまで俺はまだ少し威圧感に圧されていた。
「そりゃあ会わなきゃおかしいでしょう。あいつから逃げるなんて至難の業ですよ」
俺はようやくいつもの調子に戻り、ため息をつきながら一樹先輩に言う。
「ははっ、まったくだ」
まったくその作り笑いのコツを教えてもらえないかねえ……
「ほらそこ無駄口たたかない!これより第一回SOS団ミーティングを始めます」
まだSOS団は発足すらしてないだろう。それはさておき……
「ミーティングってそんなたいそうなことをしなくちゃいけない議題でもあるのか?」
「語りつくしたら一生終わらないわよ。だからミーティングするの」
結論になってないような気もするがまあいいか。
「で、なんだって?」
「今週の日曜日、団員探しに行くわよ!」
まーたわけの分からんこと言い出したっ!
「団員探しって、他の学校の生徒を仲間にするのかい?」
一樹先輩……ごもっとも。
「北高の生徒しか入れないわよ」
「なら学校の中で探したほうがいいんじゃないかな」
「わかってないわねー」
ほお、何がわかってないのか説明してもらおうか。ろくな事じゃないだろうが。
「あんたたちにも学校での顔ってのがあるじゃない?だから学校外での裏の顔で気になるのがいたら連れ込もうってことよ」
またシビアなことを。
「ってことで、遅刻したら罰金だからね!」
俺たちは有無を言うことなく強制的な参加が決まった。
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