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涼宮ナツキの憂鬱
第一話
うすらぼんやりとしているうちに学区内の県立高校へと無難に進学した俺が最初に後悔したのがこの学校がえらい山の上にあることで、春だってのに大汗をかきながら延々と続く坂道を登りつつ手軽なハイキング気分をいやいや満喫している最中であった。親父がこの学校に進学することを拒んだのはこのせいなのだろうか。


これから三年間も毎日山登りをしなきゃならないのかと思うと憂鬱な気分になるのだが、三年もすりゃ慣れるだろ。手軽な運動が毎日できて、部活に入る気にもならない俺にはピッタリである。


そんなわけで、無駄に広い体育館で入学式が行われている間、俺は新しい学び舎での希望と不安に満ちた学園生活に少なからず思いをはせているわけだが、中学での面子も結構いたし、なんとなく新鮮味がない。ただ、知らないやつがたくさんいたのは事実で、少しばかり楽しみでもある。まあ友達に困ることもないだろう。それもこの学校を選んだ要因の一つだからな。

男はブレザーなのに女はセーラー服ってのは変な組み合わせだな。今壇上にいる超音波を長々と発している校長がマニアなのか、とかと考えているうちに入学式が終了し、一年間面を付き合わせねばならないクラスメートたちとゾロゾロと俺の振り当てられた一年五組の教室へ入った。

ただ、俺の憂鬱な気分になる要因がこの短い時間で起こるとはちっとも思っていなかった。

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