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涼宮ナツキの憂鬱
第十五話
ようやく今日の授業が全て終わった。あとは帰るだけだと思ったのだが、

「さあ、行くわよ」

元気はつらつの子どものような瞳で涼宮ナツキは俺の胸ぐらを掴みズルズルと引っ張っていく。

「ちょっと待て!どこに行くんだ」

「部室。あんた朝のこと忘れたんじゃないでしょうね」

「あ……」

すっかり忘れてた。今日一日注目されっぱなしだったからな。

「あんた馬鹿?」

廊下で叫ぶな。鼓膜が破ける。

「そもそも俺は入るとも……っておい!引っ張んな」

「どうしようもない人ね。先に職員室に行きましょ」

「放せよ。犬じゃないんだ、引っ張らんでも職員室くらいわかるって」

そう言うと、ナツキはバッと手を放し鈍い音がした。つまり着地に失敗したわけだ。

「急に放すなよ」

「あんたが放せって言ったんじゃないの」

「お前なぁ」

やめた。こいつに何を言っても無駄だ。今はとりあえず廊下を歩いている生徒たちの注目が痛い。

「失礼しまーす。涼宮先生いますか?」

職員室に入るのって緊張しないか?別に悪いことをしたわけじゃないが、なんか空気がピリピリしているというか。まあコイツは関係ないんだろうがな。

しばらくして母さんが出てきた。

「どうしたの?」

「新しいクラブ設立について聞きたいんですけど」

「じゃあ部屋を移ろっか。ちょっと待ってて」

母さんはどこかの部屋の鍵を持って来て、

「行こっか」

と言って、ある部屋に向かった。

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あきゅろす。
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