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涼宮ナツキの憂鬱
第十四話
「おいキョウ」

散々な目にあった授業後、谷口が難しい表情でやって来た。そんな顔してるとアホに見えるぞ。

「んなこたぁいい。それよりお前どんな魔法を使ったんだ?」

なんじゃそりゃ。わけわからん。大体魔法は人前で見せちゃいけないものじゃないのか?ある話だけなのだろうか。

「俺、涼宮があんなに長い間喋っているの初めて見るぞ。何言ったんだ?」

さて、何話したかな。今日は部活がどうだとかいう話だったか。

「驚天動地だ」

「昔からキョウは変な女が好きだからねぇ」

誤解を招くようなことを言うな。

「キョウがどんな女が好きだって構わん。なんで涼宮がお前なんかと会話を成立させているのか理解しがたい」

キョウと言うな。本名で呼べ。

「私も聞きたいな」

いきなり女の声が降ってきた。見上げると谷口ランクAA+委員長朝倉玲子の作り物でもこうはいかない笑顔を俺に向けた。

「私がいくら話しかけても、何にも答えてくれない涼宮さんがどうしたら話してくれるのか、コツでもあるのかな?」

考えるまでもない。

「わからん」

朝倉はくすりと笑って、

「ふーん。でも安心した。涼宮にもやっと友達ができたみたいで」

「友達ね……」

どちらかというと親分子分の関係の方が近いような気もするがな。

「これからもその調子でよろしくね」

朝倉は俺の肩をポンと叩いて女友達の方へ溶けこんでいった。気付くと周りの視線が俺に向けられていて、俺の気分は最悪だ。

「キョウ、俺たち友達だよな」

谷口が言う。国木田は腕を組んでうなずいていた。どいつもこいつも馬鹿ばっかだ。

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あきゅろす。
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