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涼宮ナツキの憂鬱
第10.5話
古泉に聞いたように、確かにハルヒみたいなヤツがやって来た。古泉に仕方なく協力の意を込めてこのクラスの担任にあてられたわけだが、

「ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたらあたしのところに来なさい」

と、ハルヒの従姉妹が言った日には寒気がしたぜ。ようやくこの世界から解放されたと思ったのによ。

古泉がハルヒを神と定義したが、この涼宮ナツキにも同じような能力があるらしい。しかも、ハルヒより不完全らしく、万が一暴走する日が来たら今度こそ世界は破滅するらしい。この言葉を聞くまでは俺は北高に教師として戻る気なんてさらさらなかった。

古泉の機関のおかげなのかそうではないのかは知らないが、職員室に初めて入るときに驚いた。懐かしい面子が職員室に勢揃いしていたんだぜ?長門に朝比奈さんに古泉、どこかの企業の社長になっているはずの鶴屋さん、谷口や国木田、喜緑さんまでもがそこにはいた。なんと驚くことにそこには、
「遅いわよキョン!罰金よ罰金!」

ハルヒの姿までもがあった。こいつ教師免許持ってたっけ?

「古泉くんが面白そうなことするから慌てて取ってきたのよ」
古泉……余計なことを……

ただ、今回頑張るのは俺の息子であって俺にはほとんど関係がないらしい。ハルヒの能力は以前俺が消失させたし、涼宮ナツキとはほとんど血縁関係はない。ただ、なんらかの不手際でこの能力は再生したらしく、そのキーとなるのが俺の息子になる可能性が高いと長門は言う。つまり、今回の俺は息子を見守ることしか出来ないということになる。

ただ、息子の無事を祈るしか俺にはすることがなかった。

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