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涼宮ナツキの憂鬱
第十話
と言うわけで、片鱗その一。
髪型が毎日変わる。なんとなく眺めているうちに気付いたのだが、月曜―0、火曜―1、水曜―2……のように、曜日が進むごとに髪の結び箇所が増えている。月曜にリセットされ後は金曜まで一つずつ増やしていく。果たして日曜はどんな頭になってんだろうな。見てみたい気もする。

片鱗その二。
体育は男女別に行われるので、五組と六組の合同で行われる。着替えは男が偶数、女が奇数クラスで着替える事となっているのだが、男子が移動する前に、涼宮ナツキはセーラー服を脱ぎだした。こいつにとって男なんてジャガイモ程度にしか見ていないのだろうな。
あっけにとられていた俺たち男子は、この時点で委員長の朝倉玲子に叩き出されることになる。しかし、あいつやけにグラマーだったな……それはさておき。

片鱗その三。
こいつは何故か全部のクラブに仮入部していた。野球部まで入ってきたというから徹底している。運動部からは例外なく熱心に入部を薦められ、その全てを断ってナツキは部活を毎日気まぐれに変えたあげく、どこにも入ることはなかった。

この件によりこいつの名が広まるまでにほとんど時間はかからなかった。校長の名前を覚えていないやつがいても涼宮ナツキの名を知らないやつは存在しなかった。

何がしたいんだろうなこいつは。

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