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涼宮ナツキの憂鬱
第一〇九話
目が覚めると辺りはすでに明るくなり始めていた。時計を見るとまだ5時を指していて、もう一眠りしようと思っていたのだが、目が冴えて眠れなくなってしまっていた。

玄関を出て大きく伸びをする。朝の風が吹き抜けて気持ちいい。どうせなら俺の心もどうにかしてほしいのだが……

朝も早く起きたことで、俺は散歩をすることにした。さすがに朝が早いので人はほとんど通ってない。新聞配りのバイクとランニングをする人をちらほら見るだけだ。
ナツキのことを忘れようとすればするほどナツキのことを考えてしまう。だから俺は気をまぎらわすことに必死になっていた。ただ俺は今日も一日無事に過ぎることを願っていた。

家に帰るとすぐに朝飯を食って、着慣れてきた制服に腕を通し、もう一度外に出た。太陽はさっきより高い位置をしていてまぶしい。今日も一日頑張ろうと思って足を運ぶのだが、足取りがかなり重い。

ナツキに会いたい──

その願いが俺の体を狂わせてるのかもしれない。

ナツキ……かくれんぼなら俺の敗けだ、いい加減出てこいよ。

もちろんそれでナツキが出てくるはずもなく、俺のテンションはかなり低かった。

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あきゅろす。
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