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涼宮ナツキの憂鬱
第一〇八話
それから俺は、ナツキの出会いからSOS団設立までの経緯を話した。それから先はいろいろありすぎて話すに話せなかっただけなんだが。

「なら、そのナツキさんが涼宮さんの生まれ変わりなんでしょうか?」

「俺は母さんがどんな能力を持ってるか知らないし、ナツキの能力も信じているわけではないから断言はできませんけど」

「そのナツキさんは北高にいるんですよね?」

「いえ、いません。北高にいるならみくるさんも知ってるはずでしょう?」

「じゃあ、ナツキさんは?」

「俺の記憶だけ残して消失しました」

「え……」

そのとき俺はどんな顔してたのか知らないが、みくるさんはかなりしんみりしていた。

「まあ、いなくなってせいせいしましたけどね。最近何かとあいつに振り回されてましたから」

思ってもない言葉を発してしまった。ナツキに会いたくてしょうがないのに。

「へえー、そうなんですか」

みくるさんはくすくす笑いながら言った。

「どうしたんですか?」

「いえ、何でもありませんよ」

俺の頭からは疑問符が浮かんでいた。

「それじゃあ、そろそろお暇(いとま)しますね」

「わざわざありがとうございました」

「いえ、たいしたことありませんよ」

みくるさんは帰り際に一言残していった。

「頑張れ、男の子!」

その意味が全く解らないまま、俺はベットの中に入り夢の世界に行くことにした。

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あきゅろす。
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