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涼宮ナツキの憂鬱
第一〇七話
「みくるさんはナツキのこと知ってますか?」

さりげなく聞いてみた。

「キョウくんの彼女ですか?」

「違います」

即答。

「じゃあ、どなたですか?」

みくるさんも覚えていないのか。

「3年前の時間振動の犯人ですよ」

「なんでキョウくんがそのことを知ってるんですか?」

みくるさんからはさっきまでの笑顔が消えていた。

「みくるさんと美春から聞いたんですが」

「あたしがキョウくんに?」

俺はただうなずくだけだ。

「3年前、確かに大きな時間振動が起きました。でもその起源、原因、全てが不明でした。そのナツキさんが本当にあんな大きい時間振動を起こしたんですか?」

そう言われても……俺は聞いただけでその場にいたわけじゃないし、そんな真剣な顔で見られても困る。

「そのはずですよ」

「ナツキさんのこと詳しく聞かせてください」

「そんなこと言われましても」

「お願いします」

みくるさんの顔は真剣そのものだった。

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