[携帯モード] [URL送信]

涼宮ナツキの憂鬱
第百話
ナツキがいなくて困るのは以外にもたった一人だった。他でもない。この俺だ。俺だけが困惑の中で立ち尽くし、呆然としたまま世界に取り残されることになったのだ。
そう、このとき気づいた。

ナツキがいない、と。

「悪い、今日は体調が悪いみたいだ」

「そうだね、早引けして寝たほうがいいよ」

「ちょっと保健室に行ってくる」と、二人に言い残し教室を出た。とは言っても、本当に保健室に行くわけではなく確認したいことがあった。

あいつらはいるんだろうな?

廊下を歩いている人を掻き分け、まず美春と長門さんのところへ向かった。

「美春いるか?」

「キョウくん?どうしたんですか?」

「長門さんいるか?」

「ちょっと待っててください。すぐ呼んできますから」

え……これが美春なのか?よそよそしい態度。馬鹿丁寧な敬語。こんな美春見たことない。て言うかこれが美春なのか?

俺の頭はますます混乱していた。

[前へ*][次へ#]

4/26ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!