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小噺
The melody of (サックス演奏/島迅)



(うわ、緊張する…)



毎日練習はして来たものの、いざ本番になると手が震えた。




次の小節ー…テナーサックスとバリトンサックスの掛け合いは、この曲でもっとも注目される所だ。





観客も当然、この部分をじっくりと聴くのだろう。







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ー We were intoxicated the melody of themー





(まずは、慎吾さんー…)



チラッ、と迅を見たかと思うと、慎吾はいつものように演奏を始めた。


いつもは重厚な音でベースの役割を果たしいるバリトンサックスのソロ




まるで緊張なんて知らないみたいな慎吾さんの艶やかな音が、会場に響いた





ーあぁ、いつもこの音が俺の音を支えてくれてて


その音を出してるのは慎吾さんで


改めてソロで慎吾さんの音を聴いて、



その重厚さに酔った


ーその伸びやかな音に、いつの間にか迅の緊張は消えていた。



テナーサックスを構えた迅に、慎吾はもう一度目配せをした




ーもう迷うことは何もないー



今まで一番一緒に練習をした、尊敬する相手が自分の事を信じてくれている。



それだけで、俺はー…




迷いのない迅の純粋な旋律は、会場にいる全ての人に真っ直ぐ届いた



(次、はー)



ソロパートを演奏しきった迅の隣には、微笑みを浮かべた慎吾がいた


ーこの人となら、何だって出来るような気がするんだー…



テナーサックスとバリトンサックス、ようやく二つの音が重なった。




ー掛け合いの合図を送ってくるのはやっぱり慎吾さんで


ぶつかり合う音の中でも、やっぱり俺は慎吾さんから安心をもらってる




信頼し合った2人の、ぴったりと重なった指使いが、音色が、澄み切った一つの音楽となって響き渡った。





演奏が終了すると、止む事のない拍手と歓声が2人を包んだ。




温かな感情に触れて、


この感動をこれからも2人で共有できたらいいな…


手を差し伸べる慎吾と笑い合い、迅はそう思った















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〈私たちは彼らの音に酔った〉



信頼し合った2人を激しく希望!!

慎吾さんは指使いがエロいと思います!!←





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あきゅろす。
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