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華を咲かせよう
2.



音楽が聞こえなくなった。
あれ?と、思ったときには
耳からイヤホンが外されていた。
そして、

「つくる、ごめんな」

と、優しい凪ちゃんの声。続いて、

「つくる、怒らせてごめん」

「俺もごめんっ!」

「つーちゃん、怪我してない〜??」

と、皆の声が聞こえた。
他に音や声がしないから
喧嘩は終わったのかな??

「皆、僕は大丈夫だよ。
心配かけてごめんね?ありがとう」

僕はさっきから考えてたとおりに
お礼と謝罪をした。

「なんで、つくるが謝るんだよ。
俺たちが怒らせたんだろ??」

と、ひーくんが焦るように言った。

「ん、だって僕が勝手に飛び出しちゃって迷惑かけたでしょ?
それに、こんなことになっちゃったし…。だから、ごめんね…」

「つくる……」

納得できてないひーくんの声。
凪ちゃんやかなくん、千くんも何も言わないから居心地が悪い。

「凪ちゃん、イヤホン外してくれたのは
嬉しいけど、目隠しも外してくれないかな…??」

居心地の悪さから堪えきれず、
僕はずっと思っていた事を言った。
だって、誰も外してくれないんだもん。

「あっ、そっかごめん、つくる」

と、凪ちゃんが僕の前にしゃがみ込むような音が聞こえた。やっぱり聞こえるっていいね〜。と、その時、

「凪、外すのは廊下でしろ。
ここじゃ、ちょっとあれだ」

「あっ、そっか…。
つくるもう少し我慢してて」

かなくんの一言により、
凪ちゃんが離れていく。

「えっ?ちょっと待ってよ!」

ほどいてくれるんじゃなかったの??

「つーちゃん、今ね俺たち喧嘩してたの」

と、千くんはゆっくり喋りだす。
僕的にはそれどころじゃないよ…。

「うん、知ってるよ??」

「えっ?つくる知ってたのか?!」

ひーくんが驚いてる声がしたけど、
何となく喧嘩かな〜とか思ってただけなんだけど、千くんとひーくんの態度で当たりだった。ひーくんは嘘とかつけなさそう。

「つーちゃん、鋭いねぇ♪
それでね、喧嘩してたから僕たちの周りはぶっ倒れた人で沢山いて血もいっぱいでてるんだけど、見たくないでしょ?」

見たいって思う人の方が少ないと思う。
それに血っ?!

「みんな、怪我してるの?!」

「つくる、安心して。
俺たちは無傷だよ」

「俺たちが怪我するわけねぇーよ」

「要は、殆ど後ろで見てただけじゃねーか!」

「ん?何か言ったか、日向」

四人とも怪我はしてないみたい。
よかった……。
四人とも喧嘩とかに慣れてるのかな…?
でも、その前に

「千くん、見たくはないけど
僕のせいでこうなったんでしょ??
なら、僕はちゃんと見なきゃだめだと思う」

そうだよ、僕のせいで喧嘩になったんだ。
僕だけ隠れて逃げちゃだめだよ。
ちゃんと見なきゃ。

「ん〜、そう思えるのはいいこと
なんだけどね、つーちゃん。
俺的にも見といた方がいいと思うけど、
過保護な3人が許してくれないみたい♪」

「うるさいよ、変態」

「過保護で悪かったな、下半身野郎」

「変たi「ほらね?」

「千夜さん、なんで俺のセリフに被らせるのかな?おい」

んー、見たくないのが僕の本当の気持ちだ。でも、見なきゃと思うのも僕の本当の気持ち。それに、千くん以外は見てほしくないんだよね、多分僕を守るために。
うぅ、僕本当迷惑かけてばっかだなぁ…

「ごめんね、みんな」

「ん?何で謝るのつくる」

「おい、先ずここから出るぞ…
後で、こいつらを回収しなきゃな…」

「要〜、俺も同行したほうがいい〜?」

「そうだな。店にこいつらをいれなきゃだし…」

「要こぇーーー」

と、皆はここから出る準備?をしてる。
僕も、足だけは自由になってるから
立ち上がろうとしたら、


「つくるー、よいしょっと」

「うわぁぁ?!」

突然足が地面から離れた。
どういうこと?!

「歩きずらいと思うから廊下まで
おんぶするからな〜」

と、耳元からひーくんの声。
ということは、僕を持ち上げたのは
ひーくんってことかな??

「ありがとう、ひーくん!」

「いえいえー。つーか、つくる軽いな」

「軽くないよ??」

と話してたら

「日向に先越された?!」

「クソッ」

「流石バカ。動くの早いね〜。
脳みそがないから動くの早いんだろうね〜」

「おい、千夜。
嫉妬だろうが何か知らねぇけど、
言うこときつすぎだわ、アホ!!」

「ん??また喧嘩??」

そんなに、皆は移動したかったのかな?





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あきゅろす。
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