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華を咲かせよう
6.突撃前半 凪said


『バァァァンッ!』

日向の勘に頼り三階の空き教室までやって来た。そしたら、まさかのビンゴ。中から声がして俺たちは(主に俺)が扉を勢いよく開けた。

「つくるっ!」

教室に入ってみると手足を縛られ、
Yシャツは破られてしまっているつくるが何人かの男に襲われていた。

「てめぇら!!」

日向は俺の横を通りすぎ、
近くにいた男を殴った。
続いて俺もつくるの肌に触れている男を蹴り飛ばす。

「お前らイイコトしてるじゃん♪」

ニコニコとしながら千夜は
男の首を閉めてた。えげつねぇー。

「ガハッ………お……まぇら……」

つくるを襲っていた男たちは何が何だか分かっていない様子。そして、つくるも。

「つくる、もう大丈夫だよ」

いち早くつくるの元に駆けつけ、
俺の上着を羽織らせ、足の縄を解く。

「凪ちゃん…………??」

「そうだよ、凪だよ。
助けに来たから安心して?」

不安がらせないように優しい口調で喋る。本当は日向や千夜と同じように男共を蹴散らせたい。

「ふぇ……凪ちゃぁぁぁ、ふぇぇー」

とか考えたらつくるが勢いよく泣き出した。今まで怖かった分吹きっれたように。

「よしよし、よく頑張ったな」

「ひっく、うん、ありがとぉ」

つくるのふわふわな髪を撫でる。

その時に

「お前ら……よくもやってくれたなぁ!!」

と、恐らく男共のリーダーであろう男が叫んだ。と言うか、やっと現状理解かよ、遅すぎ。
つくるは、この叫び声で体を震わせた。このまま傍にいて安心させなくてはいけないけど、

「ごめん、つくる。
俺のお願いきいてくれる??」

「んっ、お願い…?」

涙で真っ赤に染まった瞳を俺に向けながら尋ねてくるつくる。

「今から、怖いことが起きるから、
目と耳を塞いでいいかな?」

怖いこと………と言っても喧嘩だけど。
つくるに、俺たちの喧嘩する姿を見てほしくはない。だから塞ぐ。

「ひっく怖いこと…」

「ごめん、お願いって言ったけど塞ぐね。後で存分に怒っていいから」

と、俺は自分のネクタイを解き、
つくるの目を塞ぐ。そして、いつも持ち歩いてる音楽プレイヤーの再生ボタンを押し、イヤホンでつくるの耳を塞ぐ。
あまりの早さにつくるは

「えっ?!凪ちゃん!」

と、言った。足の縄は解いたけど、
手は解いてないから目隠しもイヤホンも外せない。

「ごめんね、つくる。
すぐ片付けるから……」

と、謝罪とつくるを安心させるように
おまじないとして目隠しされた瞳に唇を落とす。

「凪ちゃん……後でグーで殴るからね…」

恐らくおまじないには気づいてはいないつくるから殴る宣言。グーって可愛いすぎ…。

「了解、つくる」

音楽で聞こえてはいないけど返事をする。

さて、俺も参戦しに行きますか…。

大切な子を泣かせたんだ。
きっちりお返しをしなくちゃね。





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