華を咲かせよう
2.夢の中
夢を見ていた。
ふわふわとした甘い夢を……
「終兄〜、杏ちゃん〜待って〜!」
僕はいつもお兄ちゃんと弟の背中ばかりを追いかけていた。そして、いつも2人は僕を待ってくれて、
「つくるー、走って転ぶなよー!
そこ、段差あるからなー!」
「兄貴はつくるに甘すぎ…。
つくる、待ってるからゆっくりこい」
終兄は手を振りながら呼んでくれる。
杏ちゃんは不機嫌な顔をしてるけど、照れ隠しなのは僕は知ってる。
そんな2人が大好きだった。
終兄と杏ちゃんにやっと追い付いた。
「遅い、つくる」
「ほら、つくる。手、繋ぐぞー」
ずっとずっと一緒だと…
3人手を繋いで歩いていけると思ってた。
そして、場面が変わった。
真っ暗な闇の中に僕1人……うんうん違う
あの2人がいた。
終兄と杏ちゃんは僕を守ろうとしてくれた。だけど、そう簡単にいかなかった。
2人は傷ついた。そして消えてしまった。
そう、僕のせいで。
だから、僕は1人でここに来たんだ。
逃げなきゃ……守らなきゃ…!
それだけを考えて無我夢中で走った。
そして、目の前に大きな光が
手を伸ばした時に
僕は目を覚ました。
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