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華を咲かせよう
1.拒絶 〜凪said〜



つくるの反応が普通だったから
俺がルームメイトだと
嫌なのかとかつい思ってしまった。
でも、まぁ冷静に考えれば、
つくるは俺以外だもしてもこんな反応じゃないのか?と、思いちょっと落ち着いた。

というか、俺ガキっぽ……。

「ねぇねぇ、
凪ちゃん、かなくんどうしたの??」

ずっと無言だったからだろう。
つくるが心配そうに
俺と要を見つめてた。日向も

「どうしたんだよ?」

と、声をかけてきた。
まぁ千夜は相変わらずニコニコと何考えてんだか分かんない笑顔を俺たちに向けてた。

「何でもないよ、つくる」

何でもなくはないけどつくるたちを安心させるため笑顔で言っとく。要も

「別に」

と、本当素直になれずに言っていた。
多分こいつもつくるの事を考えてたんだろうなとか俺は察した。独占欲強いからなぁ〜、本当。

まぁいいや、まずこの空気を変えよう。

「そう言えば、つくる?」

「何??」

空気を変えるためにずっと気になっていたことを俺は話しかけた。

「会った時からずっと気になってたんだけど、そのポケットのぬいぐるみは何??」

そう、つくるのポケットに入っているうさぎのぬいぐるみのことが俺は気になっていた。

普通学校に持ってくるのか?
いやでも、つくるがこのぬいぐるみを
持ってる姿は可愛いかもしれない。

「あぁ、これはね〜」

と、つくるはニコニコした顔でポケットからぬいぐるみを出し机に置いた。

「しろさんって名前でね、
僕の宝物なんだ♪」

と、名前を教えてくれた。しろさん…まぁなんともつくるがつけそうな名前だな、うん。
と、そこで日向が

「宝物なのか??
ずっともってんのか、それ?」

「うん!終兄…お兄ちゃんと弟が僕に初めてくれた誕生日プレゼントでね。嬉しくてずっと一緒なんだ♪」

つくるは本当に大事そうにそのぬいぐるみ、
しろさんの頭を撫でていた。

教卓のとこに立っている先生が写真を撮っていたことは見なかったことにした。

「つーちゃんはお兄ちゃんと弟くんがいるの??」

そして、また通路を挟んでいる
千夜が言葉をかけた。

「そうだよ〜、お兄ちゃんと弟で3人暮らししてたの!」

「………3人?親はいねぇーのか?」

そこで今までずっと黙ってた
要が話しかけてきた。
まぁ、確かに両親がいないのは俺も気になった。だが、

「知らない」

と、今まで聞いたこともない声がつくるの口から聞こえた。
あの可愛いらしい声とは違い、
はっきりとした拒絶。

「知らないってどういうことなんだ?」

流石にバカの日向も気になったらしい。
確かにどこかに行っていていないとか
ならまだ分かる。
だが、知らないってどういうことだ?

「つく『キーンコーンカーンコーン』

と、タイミングよくチャイムの音。
そして、先生の

「これで今日は解散よ!
速やかに帰ること、以上っ!」

と、HRが終わった合図。

「あっ、終わったみたいだよ〜♪」

元のつくるの声で喋りだしたつくる。

さっきのは何だったんだ?
日向もそうだが、
やはり要、千夜も困惑した顔をしている。
さっきのつくるは何だ?
知らないってどういうことだ?

それに拒絶の声。

つくるは何かを俺たちに隠している…
それぐらいしか俺たちは分からなかった。









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