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僕だけ見つめて囁いて?
ホントのキモチ


「おま、何して?!」


カッと頬に熱が差す。

あまりにも突然過ぎる行動に、驚いている暇もなく、俺は西田の香りに包まれていた。



「…お前…ここ外だぞ。」

「うん、でも…カズが好きだから。」

「…。」


理由になってねえし…。



「ねぇ、カズ?」

「なに…」

「一つだけ…カズのこと縛ってもいい…?」



弱気な声が耳に直接届いた。



「…内容によるな。」

「そっか…、じゃあ、聞いてくれる?」

「…ん。」



西田の俺を抱き締める力が強くなった。




「カズ…」

「…」

「俺以外の人に…笑顔を見せないで…」



泣きそうな、小さな声で告げられた。






が、



「無理だ。」

「っカズゥ…」


バッと顔を上げて、俺を見つめる西田に垂れ下がった耳と尻尾が見えたような気がした。



そんな目で俺を見つめるなっ…!




「…他人の前で笑うなって、軽く拷問じゃねぇか。」



項垂れる西田に然り気無く拒否の理由を告げる



「でも、カズは普段からあんまり感情を面に出さないじゃん…。」




「…。」



あっさり反論されてしまった…。



仕方ない…


俺は小さく溜め息をついて、西田に向けて呟いた。





「…、聞いてやってもいい。」

「え…?」



「他人の前で笑わないってやつ、実行してやってもいいぞ。」

「本当?!」


そう言うと西田は驚いた後、盛大に尻尾を振って喜びの表情を浮かべた。


ぐっ…眩しい、眩しすぎる…





「ただし、条件として、俺もお前を縛るからな!」



喜んで蕩けきっている西田の鼻先に人差し指を突き付ける。


「うん、カズになら幾ら縛られても構わないよ…」



甘ったるい笑顔を向ける西田




何だか…アブノーマルな会話みたいだな…全然違うけど。





「いいか…よく、聞け…」

「うん!」



俺は深呼吸を一つして、西田から目を逸らして言った。



「…俺がお前以外の奴に笑いかけない代わりに……っお前は、俺以外の奴に触られんなよ!」





「カズ…っ!」







あーもう…!


恥ずかしい!!



[*フイッ]

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