そうじゃない ナルト
気にくわない。何がではなく何もかも。まるで、自分だけが正しいと言わんばかりの。けれど俯いた哀しみが
(彼を射抜ききらずに)
気にくわない。私の思考は嫌悪とは裏腹に被害者への見上げんばかりの視線を向けようとする
「…ごめん」
反芻する。言葉も、永遠も、意味も自由も。手にとろうとすればそれは恐らく容易いことが、私の周りをぐるぐると囲む。流動的に、留まることなく。だがそれらを構成する元素は至って単純であり単一化されている。同じようなことを同じように想像することを生きる私たち。そこに表れた例外を、どうして心地よく迎えられようか
「どうして、」
どうして謝るの。私たち、そんな関係なんかじゃないって、そうでしょ?
(ねぇ、私の醜状は加速していってしまうよ)
「へへ…俺ってば、そういうとこ馬鹿でさ」
ナルトは笑った。それだけが凄く脳裏にこびりついて、きっと、今のナルトの笑顔を一生かけても忘れはしないだろうと思った
そうじゃない
(そんなの聞いてない)(そう、君を笑顔で見送った後に呟く私は君にとってどんな意味を成していたのかなぁ)
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