お似合い サスケ
少し強い匂いを緩和させるかのように熱を帯びた風が全身に纏う。揺れて散る花弁のひとつを手にとろうともせず、立ち尽くしたまま木を見上げるあなた
「綺麗ね」
あなたも。この桜も。綺麗よ、とても
(サスケ)
「…こんなもの、似合っても意味がねぇんだよ」
彼はそう言ってまた桜の木を見上げる
「でもとても素敵。きっと、似ているのね」
「……」
「あなた、すぐに消えてしまいそうだもの」
流れて、掬われて、懇願するでもないのに大切にされて。気付いてないでしょう。あなた、大切にされているのよ
私は呟く
「大切、だと」
「けれどそれでは満たされていない。貪欲なのね、きっと」
「意味が分からないな」
「あら、可愛そう」
お似合い
(私は君をからかっていたいだけ)(ずっと、きっと)
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