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慈悲 マダラ


どうして、世界はこうも単純でそのくせこうも醜いものなのか。一色のものに変化はない。つまらない見ていたくもない消えろ消えろ消えろ


(落ち着かないんだ)


何故そんなに苛々しているか、だって?そんなのは俺が知りたい。ただむかつくんだよ。何も変わらない一辺倒の世界を前にへらへらしてる奴が。そんな世界、すぐ壊れるに決まってる。だってそうでなきゃ変革期に訪れる戦争が無くならない理由がつかない。変えるために人殺し。それでも世界は対して変わらない。やっぱり、俺は一色の世界はだいっきらいだ。のみこまれて、同化したらどうするんだ。大きな、ひとつの一部なんて、なんて


「嫌なんだよ…俺は」


世界は1つ2つと複数か?それとも唯一か?答えを教えてやろう。世界とは唯一であればいいのに複数なのだ。なんということ。どれほどの犠牲を払えばいいというのだ。どれほどの無駄を土台とした偽りの理性。儚いものは美しい。それは認めよう。では逆に


「永遠は醜いか?」


「…興味ないな」


我が一族の中で俺を理解する者はいなかった。そしてそれは今も、変わりはない。サスケは俺の問いかけにそう答えて目を閉じた。それでいい。そうでなければならない。そうでなければ。俺はこの世界そのものとなる。そして、安定した色を与えてやるのだ。俺は一部であると同時に全てになる。全てはやがて俺という存在の中で気持ちの良いまでに流れ、留まることなく辿るべき道のりを経て循環する。誰もが、俺の中で


(あぁなんと美しきこと)


俺がこのような力を持つからこのような思想が生まれたのではない。このような思想を持つが故にこの力が手に入ったのだ。俺こそが能力を選んだのであり俺が選ばれた訳ではない。世界を統べる能力。世界と一体となる能力。俺がそれを選択し得てそしてこの不毛な世界の全てとなる


「サスケ。お前は神を信じるか」


「偶像崇拝に意味なんてないだろ」


「全く、その通り」


全く、その通り。神は具体化されてこそ神。神とは全知全能であり秩序である。秩序とは複雑と対極などではなく、順列と類似ではない。秩序たる由縁こそが神。この世界は個々の色があまりにも酷く違っていて、それが集まるから黒一色となる。そんな世界ほど、醜いものはないのだ。個性の尊重などにかこつけたエゴを捨てろ人間










慈悲
(身をもって知らせてやるという、神の)





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