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唯一無二の友 イタチ


つまるところ、真の理解など有りはしないのだ。だから善が悪となり、悪が善となる。認識不足が人間を貶める。滑稽なほど愚かなのは、何かを知ることの本質を理解出来ない存在だからだ。私はそれを知っている


「お前は、一族を何だと思ってるんだ」


我がうちは一族は俗に忍のエリートと言われている。それ故にうちはの人間は忍としてそれはそれは過剰すぎるプライドを持っている。写輪眼を開眼した途端にその力で忍のエリートコースを歩み、当然のように高い地位にいる。本来ならばうちはこそが木ノ葉を治める一族なのだと、信じて疑わない人間ばかりで正直なところ嫌気がさす


「別に。なんとも思ってない」


(なんて嘘。ほんとは、消えちゃえばいいって、そう思ってる)


「…俺にバレていないとでも思ってるのか?」


「何が」


暗部に昇格したイタチは忙しい中、時間を削り私に会いに来る。そしてその度に同じようなことばかり言う


「俺の任務を知ったのだろう?」


すぅ…と綺麗に浮き上がってくるイタチの写輪眼は目が離せない程に美しい


「それで、私を支配する気…?」


(だとしたら何て素敵な最期なのだろう)


「同期でありながら未だに下忍なのはお前だけだ。だが、お前は写輪眼を開眼していることを隠しチャクラも抑え込んでいるようだな。何を考えている」


「それを聞いてどうするの。自分の欠けた心の足しにでもするの?冗談はやめてよ。迷えば私があんたを殺す」


一族、が大嫌いなのは私の個人的な感情。うちはのみんなは一族が大好きで誇りで生き甲斐。だから私のように察することは出来ない。うちはマダラ以来の天才と呼ばれるイタチが、既に一族に刃を向け始めていることを。そして、私はそれを楽しみにしている。それこそが全てで、イタチとてそれは分かってる、はず。だけどそれを私の口から聞きたいと言う


「…俺は、お前も殺す。お前も死ぬということだ」


「だから何。今から逃亡でもしろっての?どうせ追って殺す癖に」


「死の後に何もありはしない。永遠の終わりだ」


「それで結構。もう充分生きたし、それなりに楽しんだ。ねぇイタチ、迷ってるなら今、ここで、私を殺しなよ」


っていうか、本当はそれが初めからあんたの計画なんでしょ?と言うとイタチは私の目の前までゆっくりと歩いてきた


「お前は、」














唯一無二の友
(私の命が彼の瞳に息吹を与え、悲劇の螺旋を掘った)







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あきゅろす。
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