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哀愁 ナルト


同情を集めるような境遇で恨みを買っては人に笑われていた君は、いつまでも苦しんだまま。神様はどうしてもっと安堵を与えてあげないの?それとも神なんていないから、彼はいつまでも苦しんだままなの?はたまた彼は自分の意志で苦しみ、うちひしがれてはまた立ち上がっているの?だとしたら、私には何も出来やしない。苦しまないで、なんてのがもう間違ってるのかな


「行っちゃ駄目…ナルト」


辛くて辛くて引き止めた。エゴと言われても仕方がない。けれど、行って傷付くのは目に見えてる


「名前…」


「っサスケはもう…木ノ葉には戻れない!」


「…分かって」


「分かってなんかないっ、ナルトはサスケを殺せないよ…!」


どこか期待を込めた瞳をしていること、ナルト自身が気付いてないんでしょう?それなのに1人で殺る、なんて、嘘ばっかり。貴方の死体を迎えるなんて、私には絶対に出来ない


「俺だけなんだ」


拍動を抑えるような穏やかさを兼ね備えたナルトに私が敵わないことが、ひたすらに悔しかった











哀愁
(止めどない輝きが陰となり影となる)






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