いつか サソリ
「サソリ」
「…うるせぇ」
頬に触れて髪をとかす。俺を映す大きな瞳も、小さな身体も俺が認めた部品だけあって
(綺麗だな…)
「本当に行くの?」
「まぁな」
「ふーん」
「お前も来るか?」
ひょいと抱き上げて問いかける。名前は小さく鼻で笑って俺に抱きついた
「いや」
「んな事言ってると連れてくぞ」
「いーやーだー」
更にきつく俺に抱きついて離れないガキは、俺がまだ体温を感じることに泣いていた
「何故泣く」
いつか
(お前が大きくなったら)
(え?)
(…なんでもねぇよ)
(……)
(じゃあな)
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