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翻弄されて シカマル
(※)強行手段 の続き


正直に言います。キスされて以来、シカマルが避けてます。私を


「何で!?」


「知るか」


「半分アンタのせいみたいなもんじゃん!ってかシカマルが私のことあ、アレだとか知ってた訳!?」


「気付いてねぇのお前だけだぜ?」


「うっそ…!じゃあいの達にはめられたってことか」


掴みかかってたキバを離して気付く。どうしよう、こりゃ恥ずかし過ぎて顔見せ出来ない…シカマルに気付くようにとキスされました、なんて


「ってか…なんでその後に避けられなきゃなんないの」


普通は反対だろ。こちとらすっごいストレスだっつーの


「流石に愛想尽かされたんじゃねぇの?」


「なっ…んな自分勝手な」


シカマルってそんな勝手な人じゃないと思うんだけど…あ、でもキスで踏ん切りつけたとか?それだったらそこまで気付かなかった私が悪いよね。無意識に滅茶苦茶傷つけてたかもしんないし


「…取り敢えず、仕事に言ってくる」


私はキバと別れて演習場44に向かう。生態系は前と変わりないらしいから、担当エリアのカメラをチェックして前の試験の時につけられたトラップ外せばいい。そういう雑用。前もって渡されていた紙に書かれてあるように、私に割り当てられた場所に向かう。全部終われば無線で完了の合図を行わなければならない。問題はその相手だ


(こんなときに、シカマルだもんな…)


中忍選抜試験の用意は中忍を半分に割って二人の隊長によって作業が進められる。その一人がシカマルで、私はそっちの中忍。めんどくせーとか言いつつ出世してやがんの


「あーもーめんどくさいなぁっ!」


自棄気味にトラップに突っ込む。こんなのは慎重に時間かけて外すよりぶっ潰した方が早い。暴れまわってやっと自分のエリアのトラップが無くなったのを確認したと同時に力が抜けた


(な、に…身体が痺れる……)


ぶわりと湧き出てくる汗を拭うことも出来ず、精一杯折り曲げた身体で見たのは右足に刺さった針。痺れ毒入りだ


「う、わ…」


何とか無線を繋げようとしたけど、その前に完全に身体を動かせなくなった。意識だけは辛うじて保っているものの、あの巨大ムカデとか来たらやばい


(口も動かないや…だっさー…)


取り敢えず静かに薬が切れるのを待つしかない。それまでに襲われちゃったら、まぁ、誰か来てくれるか。そしたらちょっとした大怪我負って終わり…って、おいおい


(無事でいますように…)


自分の安否を祈りつつ覚悟を決めて私は潔く眠りに入った








*













「名前…」


誰かが呼んでいる。そっと、私を呼んでいる。私はそれに応えるようにそっと瞳を開いた


「………い、たっ」


白い部屋で横たわる私が目を開けたと同時に、デコピン


「お前みたいな間抜けは、ナルトだけで十分なんだよ」


「なっ…起きてすぐにそんなこと言わないでよ……より落ち込むから」


シカマルだ。眉に皺を寄せる顔が、何故か久しぶりのような。あ、避けられてたからか。今は普通だ。懐かしい、普通


「…ま、無事で良かったな」


「あ、あは…すいませんした」


少しだけ、ホッとしたような顔を見せたシカマルにギクリとした。私がそんな顔をさせた、それか事実だというから涙が出そう


(やばいやばい。意味分かんない過ぎてやばい)


「じゃあ俺は行くけど、お前は寝てろよ。結構ヤバめの痺れ毒だったらしいからよ」


「え、あ、はい」


「また明日来てやっから」


ポン、と頭に置かれた手がゆっくりと離れる。そしてシカマルは振り返ることなく病室を出ていった


「…何、これ」


急にキスされて、避けられたと思ったら甘やかされて。意味分かんない。訳分かんない


(うっわ…心拍数が尋常じゃない)


「明日も、来てくれるんだってさ」


いつの間にか置かれていた花をつつく。これはもう認めてしまってもいいんだろうなぁ…












翻弄されて
(寂しいんだの何だのと五月蝿いんですよ、心が)





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あきゅろす。
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