届かない君の方に手を伸ばす。鬱陶しいならいっそ消せばいい。アンタにはそれが出来る。それは、サスケ
その彼がとうとうやった。遂に大蛇丸を殺した。上手く力を取り込んで、後をどうする気なのか私は知らない。それは当然だった
なのに
「俺に着いてこい」
次々に実験体を解放するサスケが私に言った
「どうして」
「お前の探知能力をかっただけの話だ」
「違う。私がサスケと一緒に行く理由がないって言ってるの」
もうあの瞳で私を見ないのね。敵意剥き出しの刺々しい朱に私は惹かれているのに
「俺は、奴を殺す為だけに生きている。うちはイタチ、俺の兄貴をな」
そう言ってぎらつかせる瞳も、もう遠い彼方に向いている。いや、元々私に向いていた事は無かったのか。元よりそのうちはイタチだけに注がれていた瞳
(短い、錯覚だったって訳か)
「他をあたって。もう、私は貴方に興味がない」
「…そうか」
寡黙に淡々と、こうなる事を察知していたように消えたサスケ。そうやって一点しか見ない貴方の傍はぼやけた景色でしかない
欲言う女
(錯覚にまみれた男を愛してる)
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