アンタのこと イタチ 「子供、子供だけは、止めて…許して」 後ずさる母親。抱えられたのはまだ小さな子供 どうして、弱者は哀れに見えるのか。そしてそれを殺す時、自分はどうしてより弱者に成り下がるのか 「…死んでくれて、ありがとう」 答えを得ないまま、また人を殺した。いつまで経っても殺されるだけの弱者より弱い私が、何故今も生きているのか。苛立ちから皮肉になる。私の視界はいつまでも赤い (私は、どうして忍になったんだっけ) 倦怠感から座り込んで月を見上げる。女であろうが子供であろうが、その血を持つ者は殺す。大名家間で後々争いが起こらないように、徹底的に そんな事を重大視してこの任務を受ける訳じゃない。寧ろどうでもいい。ただ私は死に場所を求めてるだけだ。この醜い争いの中で死ぬ 『名前、お前は関係ない。これは俺の任務だ。誰にも言うな』 そう言って、貴方は自分の一族を殺した。ただ1人、弟だけを残して。その言い表せない苦しみを私も知ろうとしたけれど 「…駄目ね、護るモノが無くちゃ」 結局私は廃人に一歩一歩近づいてるだけ。馬鹿げてる アンタのこと (護れなくなった私には) ←→ [戻る] |