06 願わくは
確かに殺すつもりだった。三代目がいる限りサスケの命は保証されているが、それ以外は…ナマエは俺が殺さなければならなかった。俺は、そのつもりで敢えて最後の相手として少女を選んだ
だが殺し損ねた
確かにナマエの急所を刺した。だが貫けなかった。そして少女は今一命をとりとめて俺の前で眠っている。なぜ助けてしまったのか、1人孤独に耐えることが出来なかったとでもいうのか。俺の意識の及ばないところで
「……」
そっと頭を撫でてやると少しだけ和らぐ表情。今殺すことはもう出来ない。俺はナマエを傍におくと選んでしまった。何より今はそれでしかこの子を護れない
「…サ、スケ……」
「!」
不意のナマエの囁きに撫でていた手は止まる。やはりそうか、この子はサスケを…なら目を醒まし俺の顔を見たらどんな絶望に浸ることになるのだろう。どんな顔をして俺についてくる?泣きも笑いもしない、か
「いずれ…」
いずれ迎える復讐者としてのサスケが俺を葬る時に、その為だけに俺は君にとて恨まれてやろう
願わくは
(少女と弟が歩める道とならん)
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