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04 愚かなる兄と




分かってた。その日が今日だってことは。私は一族と家族を見捨てた。狂気に満ちていると言われてもおかしくない。だが例え歯向かったとしても


(それは死が少し遅くなるだけのこと)


結局は皆、殺られてしまう。いや、もう既に


「イタチさん…」


気配に振り向けば、想像通りの飛び血。だが手負いはない。恐ろしい人であるのに、なんでかな


まだ愛しい


「…もう、皆殺したんですか」


「見せてやる」


キッときつく睨まれる。精神だけがかなりの強制力で幻術の中に引き戻される。これが、万華鏡写輪眼


「っぁ…う…」


目の前に広げられるイタチさんの残忍さ。両親の、一族の死に際。知っていて、それでも、とした覚悟はこうも脆かったのか。初めて見た殺人現場は身内同士


「理解と経験は違う。ナマエ、憎むならばお前と俺が同世代に生まれたことを憎め。経験のなさではない」


ゆっくりと確実に近付いてくる死に頭がついていかない。それも、ちゃんと覚悟していた筈なのに


「……イ、タチ…さん…」


あの夢みたいに私を殺す彼の頬に触れたら、凄く冷たかった。これが、私の死に際。唯々救いだったのは


「サスケ…を、生かすな、んて……」










愚かなる兄と
(可哀想な弟を想う時)




あきゅろす。
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