08 白昼夢
私は現時刻より微小一単位ほど前を生きた
白昼夢
ふざけてる、と笑われただろう。前の世界でこんなことを言ったところで、返り血なり、凶器の所持なりをしていない人間が何を言おうと笑って流される
「人を殺しました」
(ついさっき)
だが、この世界で例えば清潔感の溢れる汚れもシミもない服装で、武器も持たず、また今の私のような子供がそれを言うとどうなるか。それは極めて事実に近いと推定されるだろう。それはこの世界だから、で、何が言えるのかということはもう分かってもらえていると思うが、繰り返し何度でも言おう
私は人を殺した
目の前に人が倒れている。他里の忍だ。見た目からしてもう成人していると思われるその男を、私は見下ろしている。なぜこうなった。そう考える間もないほど、里中が騒がしい。中忍試験の開催に乗じて、他里の忍が木ノ葉に攻め入ってきているのだ。全く、五月蠅くて適わないと言えれば良いのだろうが、アカデミーに通う身としてはいくら強がっても言えない。そんな私が正規の忍を殺したというのだから、もっと驚くべきだ。自身は
(あー、だめだ、これ)
戦いは常に幾人かのチームで臨まれる。単純に、行動の多様化のために。そして、アカデミーの生徒は避難しろと言われていた中で学校をサボっていた私は今、戦いの最中に身と投じる構図をとってしまっていて。更に敵を1人、殺してしまっていて
「子供か」
殺した男と共に行動をしていた他の忍計8人に囲まれるこの状況。私は一つだけ確信していた
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