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06 誘惑
(※狭間 の続き)

世界はきっともっと単純だ。そう、教えてくれたのは紛れもなくこの世界の貴方だった


(その度に幸せな気分でいれた)















誘惑














「中忍試験…?」


「そうよ」


「シカマルは下忍になったばっかだよ?そんな、」


「ナマエが決めることじゃないわ」


お母さんは淡々と告げて朝食の食器を片付ける。私が風邪を拗らせている間にシカマルは中忍試験への受験が決まっていたらしい


「受かる訳ないじゃん」


「シカマルが決めたことよ」


お母さんはそれ以上言う気はないみたいでさっさと朝食の後片付けを進めていく。もう熱は下がり、今日もアカデミーへ行こうとしていたとこでシカマルとお父さんが居ないことに気付いた。なんでか、と問えば中忍試験に挑む前に修行だか心得だかを叩き込むんだそうで


「…行ってきます」


こういう時、自分の抵抗はあまり意味をなさない。前にこういう空気になったのはシカマルに影真似の術を教えるとなった時。シカマルが私の年齢の頃にはもう影真似のノウハウは教えられていたというのに、私には未だに教えてくれる気配がない。一つは父が忙しいのもある、けれどだ


(私は徐々に取り残されてる、)


バレている訳ではない。元はこの世界の人間ではない、と。ただ違和感が人知れず姿を現してきている気がするのだ。そしてそれはこういうカタチになって私を不安にさせる









あれ以来、私はあの夢を見ていない




あきゅろす。
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