04 縁側
(※昼下がり の続き)
多分、気付いた時にはもう既にそうだったんだと思うんだけど、あまりにも本人に変化がないから意識してはいないこと、がある
「シカマルが下忍になった」
「2ヶ月前にな」
「なんで、シカマルが、下忍」
「アスマが決めたからだろ」
「アスマ上忍、適当、ヘビースモーカー」
「煙草は関係ねぇだろ」
「任務、行く?今から」
「あぁ。呼ばれたしな」
「…あ、っそ」
単語だけで話してるのはスルーですか。そうですか。そんなに忙しいのか知らないけど、興味もないけど、その内お父さんみたいに夜中に帰ってきたりし出すのかと思うと
(玩具をとられた子供みたい)
大人気ないから文句は言わない。それに以前からシカマルは私をあまり構わないし、今とさほど変化もない日々だった気もするし
「そーいや、これ」
ほい、と投げられた本を受け取る
「将棋?」
「アスマから貰った。それ読んどけよ。帰ったら勝負しよーぜ」
アスマじゃ相手になんねーし、とシカマルは呆れ笑いをして部屋から出て行った。ぱらぱら、ページを捲れば大抵のルールはすぐに呑み込める。多分、いや絶対、この一族は頭が良いように出来てる
「ふーん…」
将棋、ね
「おとーさーん、将棋しよー」
とりあえず、偶々家に居るお父さんを捕まえて一勝負だ
縁側
「う、」
「まだまだ甘いぞ。ナマエ」
「…お父さん何手先まで読んでるの」
「さぁな」
怪しく笑うお父さんは娘の相手をするのが楽しいのか、負かせていることに嬉々としているのか終始笑顔である。どうせ後者だからこの勝負はまだまだ終わらない
「ムカつく」
「結構結構」
(あ、くそ、こーゆーの好き、かも)
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