08 ある日、私は 日常 の続き 慌ただしいに日々が過ぎていく。加速していくのと同時に軋みが目立ってくる (傍に感じる死期は際立ちを潜める) ある日、私は 遂に暗部にまで入り込んだか、これならそう遠くない、今のうちに準備を進めねば、そういった声が聞こえて私は視線を下に向ける (今すぐに耳を塞いでしまいたいものだ) 私とイタチ、が最年少で、その他は木ノ葉の中はもちろん、他里にまで名を知られている忍もいくらかいる。うちは一族は特徴的な瞳を持つ、が単にそれだけで知れ渡るわけではない。うちはの裏立つ任務の汚さ、醜悪なそれに皆が恐れる。木ノ葉は富んだ里。そして、反するものはうちはに回ってくる "なぜうちはの人間だけが駆り出され、犠牲にならねばならないのか、それは写輪眼を持たぬお前には分かるまい" "お前はそのような扱いをされぬのだから" "それにすら及ばぬ、期待もされぬ、お前は" (半端者に、大義は成せまい) 何度そう言われただろうか。何度、自分を要らぬものとしただろうか。心など、無くて良かったのではないだろうか。その方が都合はよくて、私は何も疑わずにすんだのではないだろうか (なら、私は何故ここにいるのだろう…) ここでもいい、今でも遅くない、私の瞳にあの朱が宿ってしまえば、私は 「ナマエ」 名前を呼ばれて顔を上げる。一斉に皆が私を見る。その瞳の奥にあの朱が隠れているもかと考えるといつもの億劫が私を溺れさせて 「はい」 イタチと目が合う。それはとても久しぶりのようで、何故だか少しだけ呼吸が楽になるようだった。その一瞬にゆるく蝋燭の火が揺れた 「ここからは更に緊張状態が続く。里の奴等に怪しまれぬよう、お前がうちはのイメージを操作しろ。だがダンゾウにだけは気をつけろ。奴は俺たちを道具にしている人間だ。うかつに近寄るな」 意味は分かるな、と押されて頷く。写輪眼を持たぬからこそ高い誇りもなく、秘めた力もないから油断させられる。そこで、あくまでもうちはの人間として、しかし木ノ葉を守る忍としても働く。歩み寄る姿勢を持たせる虚像になることだけが私の価値 最近はナマエがよくやっていると言う人間も増えてきたようだ、以前よりは幾分か視線も緩くなったところもある、これからも頼むぞ、 (期待などしていない。でも、カモフラージュにはもってこい、そんな感じかな…) 上がる声に嘘はないのかもしれない。確かに、うちはとしてというよりは里の一人の人間として働いている自覚の方がある。それに笑ってくれる人もいる (そしてそれ故に私はうちはとは対する立場をとった) 誰かがこれに気付いて、里の中で戦争が起きて、それで沢山の人間が死んでしまうのだとしたら、この里の未来が危ぶまれるのだとしたら 憎しみはここで終わりにしたい (今でも構わない。私にもその朱を) ←→ |