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03 さようなら



指でなぞるのは跡。うちはの家紋の中心にイタチさんが投げたクナイの。もう随分とサスケの家の前でそれを見ている


『いいかナマエ。暫くはその写輪眼を使うな。これは一族からの命令だ』


フガクさんにそう言われた原因は私が何かをしたという訳ではない。イタチさんが本格的に狂気を見せ始めたのだ。みんな得体の知れない恐怖を感じてる。そしてイタチさんと同じように若くして写輪眼を得た私にも


でも、私には見えない。その狂気の奥にある何か。分からない、どうしてこのタイミングで私の瞳が開眼したのか


「…そんなに睨まないでよ、サスケ」


「俺の家の前で、何してんだ」


自分の家の前に居る私にサスケは眉を寄せる。出来るなら、私とイタチさんを近付けたくない。何が起こるか分からないと感じてる


「…サスケも異常だと思うの?この歳での開眼が」


おかしいのなら、どうして私は見えてしまうようになったのか。それも分からなくなる。頭がズキズキする


「異常な、訳ないだろ。兄さんだってお前と同じ頃に開眼したけど、普通だ。俺の兄さんだ…お前だって、お前だろ」


「だったら!……だったらどうして皆この瞳を見て私を避けるの……どうして」


どうして気付かないの


こんなにも、今でさえもあの人は独りで泣いているのに


「その瞳…ナマエ、お前本当に」


知らず知らずに出てきた写輪眼でサスケを見る。何がお前はお前だろ、なんだ。そんなに、怯えた顔をして


「だから、アンタなんか嫌いよ」









さようなら
(お互いに、知らなさすぎて知りすぎた)






あきゅろす。
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