09 憎しみ
ある日、私は の続き
今、両手から湧き上がる
(最後まで閉ざさないから)
零れるまでに還って
憎しみ
今日は雲が一つもなく星が綺麗に見える。明けまではまだ少し時間があるだろうから空でも眺めようと屋根に上る。集会が終わって、また朝が来れば各々が何かを隠しながら任務にあたる。それは私も変わらない
「…お前は、そうまでしてここにいることはない」
自分でもよく分からないままに溢れていた涙を気付かせたのは、少し苦しそうな表情のイタチ。私の隣にゆっくりと座る動作は懐かしいのか、初めてなのか、よく分からない
「ここからしばらく離れていればいい」
「そんなことできない。それにそんなことしてもすぐに追手が来て」
「俺が迎えに行く。だから」
何も聞かずにここを離れて隠れていろ
「イタ、チ」
諭すようでもない、懇願されているのかと錯覚するほど頼りない瞳に鳥肌が立つ。星に隠れない綺麗な顔が、近い
(もし、隠れきれなかったら)
いや、違う。そうじゃない
「私は、ただ」
(このまま時間が止まればいいのにと、木ノ葉で、あなたと、皆と)
息ができない。どうしたい、どうしたらこの世界は止まったままになる?このまま
「もう、時間はない」
「それ、どういう意味…」
「お前なら分かっているはずだ。もう、この均衡は長くない」
木ノ葉とうちはをどちらも大切に思うからこそ、時間がないのは明白な事実。そんなことを、なぜ
「イタチ、あなた…」
「もう時間はない。必ず迎えにいく」
(だから、俺と)
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