04 暁の空
※いつまでも の続き
私と同じ年齢ながら一族の中でも一番といっていいほど、写輪眼の扱いに特化した天才がいる
(だけれど彼はいつも)
悲しそうな瞳を私に見せた
暁の空
アカデミーに入学したのは同じ時だった。最初の方は何かを確かめるように一つ一つの授業を着実にこなしていたと思う。ただ、ほとんどの人間が躓くようなことに躓くようなことは一度もなかったし、初めての忍術にもすぐに対応しモノにしていた
(彼は本当に天賦の才を授かっていたのだろう)
アカデミーへ入学する前に開眼する稀な者もいると聞いていたが、彼はまさにそれで
「イタチ、」
私がアカデミーの卒業を間近に控えていたころ、彼は既に中忍だった
「ナマエか。どうした」
「あー、いや、アカデミーの子があんたにこれ渡して欲しいって」
小奇麗に包装された箱には何が入っているのだろうか。これを準備した彼女はイタチのなにを思い、私にたくしたのだろうか
(理解できない)
「お前、まだこんなこと頼まれてたのか」
「こんな、一族だけの居住区なんて造られてなきゃ、私にはだれも頼んでこなかったよ」
うちは一族は隔離され、まるで里から孤立しているようだ。こんなとこに縮こまっているから、だから
(こんなとこに閉じこもっているから視野が狭くなる)
「…とにかく、もうこういうのは受け取るな」
「はいはい。あんたは婚約者できたもんね」
「茶化すんじゃない」
イタチは諭すようにため息を吐く
(茶化してもあんたにはなにも効かないくせに)
中忍になると同時に私の姉と婚約させられたのは最近のこと。私の家族とイタチの家族は一族の中でも血が濃く能力が高い。本家というやつで、一目置かれている。そんな中にいて開眼すらしていない私は冷ややかな視線を浴びていたりする。それが嫌で必死こいた結果が、たかだか一年早くアカデミーを卒業することなのだから、一族の冷ややかさはさらに増しているだろう
「その眼ってさ、何が見えるの?」
「いきなりだな」
「私にはわからないから、ちょっと気になってさ」
ほんとに大事なもんが見えなくなるような、そんな感じだよねって言ってしまいたかったけどそれは私に許された発言ではなさそうだからやめた。なにより、イタチが酷く悲しそうだったから
(あんたって本当に正直じゃないよね)
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